ZXA小説

□とある後輩のハンター日記
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僕はついこの間、正式にハンターになることができた新人ハンターです。

ハンターなんて危険な仕事、両親は大反対してたんだけど、今では十分理解してくれて、ハンターになった僕を祝福してくれました。

ハンターになって一番初めに知り合ったのは、アッシュ先輩とグレイ先輩、そして僕(アッシュ先輩談)のライブメタルモデルA。

「やっほー、アンタが例の新人ハンターね。一目見て解ったわーその初々しい感じで」

出会い頭、アッシュ先輩は軽々しくそんな言葉を僕にぶつけてきました。どうやらかなりノリが軽い人のようです。

「わー新人ハンターなんて始めてみるー」

アッシュ先輩の隣にいるちっちゃい子(失礼だけど)がグレイ先輩。何か・・・天然臭い感じがするなぁ・・・

そして、何か言いたそうにしているモデルAを平手打ちで打ち落としたアッシュ先輩は、堂々と自己紹介を始める。

「アタシはアッシュ。ハンター界を轟かせる絶世の美人ハンターよ。ハンター暦はめちゃくちゃ長いから、聞きたいことは遠慮なく聞きなさい」

自分から美人って言う時点で、どうやらかなりの自信家のようですね。

ハンター暦は長いと言っているが、この自信有り気な表情からして、どうやら本当のようですね。何かあったらこの人を頼っても悪くはないかもしれません。

「僕はグレイ。アッシュの相棒みたいな存在あよ。まだハンター暦は浅いから新人扱いされがちなんだー」

なるほど、道理で新人を見るのは初めてって言ったんですね。

おっといけない。僕もちゃんと自己紹介しなくては





それから一週間。少しハンター生活に慣れた頃、アッシュ先輩達よりも仲良くなった先輩ができました。

「ルテク先輩!」

「お、お前か」

ハンターベースのミッション受付場、最近よく一緒に仕事をすることが多くなったルテク先輩と僕は、ミッションを受けるために待ち合わせをしていました。

「先輩、何か眠そうですけどどうかしたんですか?」

「どうしたもこうしたもねぇよ・・・昨日またアッシュ達が家に押しかけてきて飯作れって五月蝿くてよぉ・・・作ったら作ったで深夜まで騒ぎ出すし・・・」

あくびをしながら、ルテク先輩は愚痴をこぼし始める。最近先輩はいつもこんな感じでした。そうとう苦労しているんだ、アッシュ先輩達の世話

聞いた話によれば、アッシュ先輩は家事の類が全く出来ない人なので、家事が得意なルテク先輩に晩御飯を恵んでもらうおうとよく先輩の家に突撃しているという。とてつもなく迷惑な話ですね。

「先輩も大変ですね」

「お前・・・他人事だと思って・・・」

「だって実際他人事じゃないですか」

平然とちょっと生意気っぽく言い返すと、先輩は弱点を付かれたような表情を作って黙ってしまった。世の中の摂理をよーく理解してる人ですね。

と、その時

「やっほールテクー後輩くーん」

かなり陽気な声と共に現れたのは噂のアッシュ先輩とグレイ先輩。二人はニコニコしながら受付場に現れました。

アッシュ先輩が現れると同時に、ルテク先輩の口が問答無用で開きます。

「おいアッシュ!お前何時になったらこの前の晩飯代払うんだよ!」

「えーまたその話?仕事中ぐらいもっと別のことの話しなさいよ。今日もアタシは美人だって」

「誰がそんなくだらねぇ話するかナルシルト女!」

・・・えー解説すると、ルテク先輩はアッシュ先輩達にご飯を作ってあげるといえば作ってあげているのですが、それにかかった食費を後に請求しているのです。それぐらい、ハンターの好でおごってあげればいいのに

二人が口論を繰り広げていると、空気を読んだグレイ先輩が僕の元まで近寄ってきて

「今日も二人は絶好調だね」

と、大変的外れな事を言ってきました。

「あのー・・・グレイ先輩。これってただ単にルテク先輩がどケチだから喧嘩に発展したんじゃ・・・」

「どケチ?・・・え?そうなの?」

この人は常識を持っているのか持っていないのか・・・てかこんな純粋の塊のような人を、アッシュ先輩のようなある意味ナルシストな人に預けてもいいのだろうか・・・僕は不安で仕方がない。

「深刻そうな顔してるけど、どうかしたの?」

「あ、いえ。大丈夫です」

作り笑いを見せ、僕は何とかこの場を誤魔化した。

ちなみに、アッシュ先輩が食費を払ったのは、これから約十日後のことでした・・・
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