ZXA小説

□アリだって生きている
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全然涼しくなってきていない九月上旬の今日この頃。

四天王(+α)の食卓に、アルバートはいきなり現れました。

「ディナー(三ツ星レストラン)に行きたいかー!!」

『・・・・・・・・・』

突然何言い出すんだこのオッサンは、という目で見られていますが

「・・・まあ結論だけ言ってもわかる訳ないか」

「だけど約三名はいい反応してるよ」

テティスの目線の先には三ツ星レストランと聞いてはしゃぐツキリ達の姿がありました。

「おいしいディナー食べたい!」

「ディナー食べに行くってことは晩御飯作らなくていいってこと?ラッキー」

「・・・高級デザート」

それぞれの想いを口に出してはしゃぐツキリたちはひとまず置いといて

「と言ってもレストランに行くためには条件があるんだ」

条件?アルバートが言った言葉に一同は頭にクエスチョンマークを掲げます。

「一つは私の書斎の書類整理。もう一つは別荘にある巨大アリ塚の駆除なんだけど、前者はツキリたちにやってもらって・・・」

「ちょっと待て」

突然アトラスはアルバートの言葉をさえぎり

「何かな?」

「巨大アリ塚って何だ」

やけに瞳をキラキラと輝かせて、それに似合わないような真面目な口調で尋ねました。

「実は私が一人で研究したいときに使う別荘なんだけどね、その近くに大きなアリ塚ができてしまったんだ」

「ふーん」

「今は被害はないけど、そこに住むシロアリにやられたら大変だからね、早いうちに駆除してもらおうと思って」

「ちょっと待って、何でそれを僕達にたのむの?」

納得しきれないテティスの質問に、アルバートは

「だってプロ雇うとお金かかるし」

あっさりそう答えました。

「お前三賢人だろ、世界のトップだろ、金持ちだろ」

酷くあきれるアトラスにアルバートは半泣きになって訴えます。

「いいじゃん!今プロの人雇うのってお金かかるんだよ!?最近不景気でお金の入り具合がよくない状態だし、ケチったっていいじゃん!レストランは私常連だから安く付いたりするけどさあ!」

「おじさま落ち着いて」

ツキリが冷静に彼をなだめなければ、今頃彼はレギオンズの秘密をペラペラと喋りだしていたでしょう。

「まあそういうワケで、アリ塚と書類、頼んだよ。何か質問がある人は手を挙げて」

「はい」

すぐさまツキリは手を挙げて質問をします。

「どうして私達とアトランさんは一緒の仕事じゃないの?」

「そう来ると思ってたよ。それはね書類整理は君たちにしかできない仕事だからだよ。他に質問がある人」

「はい」

次はアトラスが勢いよく手をびしっと挙げました。

「はいアトラス」

「そのアリ塚、一体どれくらいでかいんだ!」

「えっ、気になるのそっち!?」

思わずテティスはツッコんでしまいました。メチャクチャどうでもいいと。





翌日、四天王ズはさっそくアルバートの言う巨大アリ塚へとやって来ました。そこで、彼らが見た光景は・・・

「・・・でかっ!」

大体二階建ての家ぐらいの大きさの、超巨大アリ塚がアルバート別荘から300メートル程離れた場所に君臨していました。

こんな巨大なアリ塚、動物学者が見たらきっと驚きのあまり失神するでしょう。それほど巨大なアリ塚なのです。

「こんなものがこの世に存在していいのか・・・」

ぽつりと呟くヘリオスの横で

「まさかこんなにでかいとはな・・・」

瞳を無邪気な子供のように輝かせて、アトラスはアリ塚を見つめていました。

そんな彼女の隣で

「何でこんなに大きいの・・・?」

巨大なアリ塚を見上げて、あんぐりと口を開けるテティスは呆然と立ち尽くしていました。特に何も考えていないシャルナクは無言ですが、いつものことなので無視。

一同は十分ほどアリ塚に見とれて(または驚いて)いた後
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