ZXA小説
□行くぜ!休心旅行!
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「大変だ!」
とある日の午後、突然アトラスは風のようにオリキャラ美少女軍団の部屋に現れました。
テーブルを囲んでトランプ(ババ抜き)をしていたツキリとテティスとサンルは、突然の彼女の登場に、特に驚く様子もなく
「どうしたのアトランさん?」
「(今回もろくでもないことなんだろうなぁ・・・)」
「何なに?美味しいものでも手に入ったの?」
と、あっさり返しました。
アトラスはずかずかと部屋に入ると、とある紙をテティスに渡しました。
「ん?何これ」
「今朝起きたら枕元に置いてあった」
「枕元?」
季節はずれのサンタクロース?と疑問に思いつつ、テティスは紙を広げてみると、そこには
遠足のしおり
・参加者。アトラスとテティス
・費用。自腹でなんとかして
・荷物。その身一つ
・場所。アトラスの気分で決まります。
・主催者。作者
という内容が書かれてありました。汚い字で
「・・・え?何これ?」
突然こんな物見せられても、テティスは薄いリアクションをすることしかできませんでした。
そんな彼の気持ちなんて知らず、このしおりを横から見たツキリは
「いーなー。面白そー」
何て呟きました。彼女はちょっとテティスが羨ましいようです。
「じゃあ変わってよ。僕こんな疲れそうな遠足したくないよ」
一刻も早くこの不吉な香りしかしない遠足から辞退したいテティスは、ツキリに遠足に行く権利を譲りたいようですが
「じゃ、行くぞ」
アトラスに服の襟をつかまれ、ズルズルと引きづられてしまい、逃亡不可能状態に陥ってしまいました。
「うわー!嫌だー!」
「そんなに嫌がること無いだろ?あ、そうか!遠足のおやつが無いから嫌がってるんだな!」
どうして頑なに嫌がるのか、理由が全く浮かび上がらないアトラスは、そう勝手に解釈しました。
「違うよー!やめてー!連れてくならツキリにしてよー!」
「だって作者命令だから逆らうわけにはいかないだろ」
「誰かー!助けてー!!」
二人はそう言い合いながら、部屋を後にしました。
取り残されたツキリとサンルは
「・・・ティー君可哀想に」
「お土産・・・」
哀れみに満ちた目と、少し寂しそうな目で、旅立つ二人を見送るのでした。