ZXA小説
□今、この戦いが伝説を作る
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「死ね、戦争馬鹿女」
「お前が死ね、潔癖イライラ男」
今日もヘリオスとアトラスは口喧嘩。しかも廊下のど真ん中でやってます。そして、廊下全体が二人が出している憎しみ&怒り&憎悪&ストレス&死のオーラに満ち溢れていました。
そんな廊下で、体育座りをして二人の喧嘩を観戦している者が一人
「アトランさんがんばれー」
キング・オブ・馬鹿ツキリです。しかもかなり楽しそうに観戦しているじゃありませんか、どこが楽しんだ
「応援してる場合じゃないでしょ!」
勢いのあるツッコミと共にテティスが廊下に出てきました。どうやら不穏なオーラを感知したようです。
「やっほーティー君」
「やっほーじゃないよ!何で止めないの!?」
最近テティスはこの二人の喧嘩を止めることに嫌気と憂鬱を感じているらしく、他の人に喧嘩制止の役割を変わってもらいたいのですが、誰もやる気なんて起こさないので結局ずっと彼が喧嘩制止を行っています。
嫌ならやらなくていいのに、と思いますがこの二人の喧嘩を止めないと回りに甚大な被害が出るので止めなくてはとばっちりを受けるのです。まあ他にもテティスは四天王ズの中で一番仲間意識が強いと言うのも理由ですが
「だってアトランさんの勇姿をこの目に焼き付けたいし♪」
「何言ってんの!」
怒られた。怒らないといけない部分が多々ありますけど一つ一つツッコんでいる時間はないので
「早く止めないと・・・」
口喧嘩が戦闘に変わる前にこれを何とかしないと・・・とテティスがきびすを返すと
「ちょっと待って」
ツキリがテティスのパーカーの裾を掴み、彼を止めました。
「何!?」
邪魔しないで!と言いそうな声ですよ。
「何度も何度も喧嘩するたびに止めてたってキリないよ。悪戯ボウズに「悪戯するな」って言ってもやめるわけないでしょ?それと一緒だよ」
「あ・・・」
確かにそうだ。今まで何度も二人の喧嘩を止めてきたけど、それで喧嘩がなくなったことなんて一度もない・・・
テティスは一旦冷静になり、腕を組んで考え始めます。
「じゃあ、一体どうすれば二人は喧嘩しなくなるんだろ・・・」
「どうすれば?簡単なことじゃん」
ツキリはテティスのパーカーを掴んでいた手を離し、音もなく立ち上がるとこぶしを握って
「ダンナとアトランさん喧嘩にケリをつければいいんだよ!」
「蹴り!?」
けり違い。
その後、ツキリはヘリオスとアトラスを和室(美少女軍団の部屋)に連れ込み、(テティスも手伝いました)いい加減この喧嘩にけりをつけないかと説明。それに二人は
「いいな、それ」
「やっと決着がつけられるのか、いいだろう」
あっさり承諾。単純な人達なこと
「やっぱり拳で決めるのか?」
「遠まわしにバトルしたいだけでしょアトランさん。今回は戦闘なんてしないよ」
「じゃあ何で決めるんだ」
アトラスの疑問に、テティスとヘリオスも同意見なのかうんうんと頷きます。
質問をぶつけられたツキリはニヤリとなにやら意味ありげな笑いを浮かべて
「一番簡単で一番ポピュラーなゲーム、トランプで決めよう!」
一回戦、トランプ(ババ抜き)
激戦の末、残り手札はアトラスが二枚(ババ含む)そしてヘリオスが一枚です。今はヘリオスがアトラスの手札を引く番なので、これでヘリオスがババ以外のカードを引けば試合終了です。
今、ヘリオスがカードを引きました。それはババでした。
「ハズレか」
「(ニヤリ)」
「(イラッ)」
ヘリオスがババを引いたことにニヤリと笑ったアトラス、これによりヘリオスのストレスが一ポイント上がりました。
次、アトラスのターン。カードを引きました。それはババでした。
「チッ」
軽く舌打ちしました。実にこれが現在三十回以上続いています。まだ勝負はつきません
それを観戦していたテティスとツキリは
「まだ終わらないのかな」
「お互い負けたくないって気が出てる。これ以上勝負を続けてても絶対終わらないかもね」
「え」
勝負が全くつかないので強制終了。
現在0-0、一引き分け