ディスガイア小説
□隊長と部下、修羅場編
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「話の脈絡もなくとんでもないカミングアウト!?でも討伐隊にスパイする必要なんてあるかしら?」
「さあ・・・」
アニューゼが首を傾げ「隊長の実家関係なんじゃ・・・」とぼやき、ベルが即座に目を逸らします。心当たりがありすぎるため
「スパイとかじゃないんですよぉ・・・」
上司コンビがある事無い事言い出して変な議論が始まる前に、半泣きのリペがやんわりと止めるのでした。
詳しい話を聞き出すためベルはリペを慰めつつ向かいの席に座らせて話を聞きます。丁度ドラマも終わりましたからね、次回は姑がハッスルするとか。
「え?コーリーに惚れた?今さら?」
「今さらとか言わないでくださいよぉ・・・」
手を膝に乗せて俯くリペはますます泣きそうな趣になってしまい、ベルは慌てて煎餅(ザラメ)を差し出しますが小さく首を振るだけで食べようとしなかったため、ただ事ではないと判断しました。ベルだけ
ベルとは違い死んだ魚のような生気の無い趣を崩さないアニューゼは緊張感のない様子でお茶を飲んで、一息ついてから質問を投げます。
「学生時代からの・・・友人じゃなかったのか・・・?」
やけに落ち着いてるなぁ・・・と感心半分呆れ半分のリペは「はぁ・・・」と生返事を繰り出してから
「そうなんですけど・・・その・・・後々恋愛対象になったというか・・・」
どうすれば友達が恋愛対象へレベルアップするのでしょう。悲しい話ですが友達どころか恋人もいないアニューゼには理解できませんでしたが
「なるほどー後からじわじわパターンってやつねぇ」
この隊長はすごく納得したように頷いています。言葉は意味不明極まりないですがアニューゼと違って理解できているようです。あんまり経験ないクセに
「・・・それがどうして裏切り者になるんだ・・・?」
アニューゼは最初にリペが言っていた「裏切り者」のフレーズが引っかかっていて仕方がありません。ただコーリーに惚れただけ、友達から恋愛対象にレベルアップしただけで何を裏切るというのでしょうか。
するとリペはゆっくりと顔を上げ、上司二人を見据え
「お二人共忘れていませんか・・・?コーリー君にはマリィちゃんという双子の妹がいることを・・・」
『はっ!!』
突然ですが始まります『マリィちゃんってどんな子?こんな子!』のコーナー!
その@倉庫にて
倉庫で資料を取ってくると言ったきり、一時間経っても戻って来ないコーリーとマリィを心配して、ベルは倉庫へ入りました。
「うわーメチャ散らかってるじゃない、どうかしたの?」
魔界の資料だと思われる紙の束や書物などが床一面に散らばっている悲惨な状況を目の当たりにし、つい足を踏み入れるのをためらい進まなくなってしまいます。
そんな散らかり放題の倉庫の中心にいたコーリーマリィの双子、一番最初にベルに気づいたマリィは手を振りながら「隊長〜」と楽しそう。
彼女の隣のコーリーもベルに気づき、さわやかスマイルを浮かべながら
「あっベル隊長、いやはやお恥ずかしい・・・うっかりしてしまってやってしまいました」
「どううっかりしたここまで悲惨な状況が作り出せたの?ドジの奇跡?大旋風?」
「隊長は想像力が豊かですねぇ、とにかくここを片付けて資料も見つけて戻りますのでもう少し待っていてもらえませんか?」
「別に私は構わないけど・・・これはちょっとやそっとじゃ終わりそうにないわよ・・・?」
「任せて!」
突然叫んだのは言うまでもなくマリィです。ベルが目を丸くしコーリーが笑顔を絶やさないまま「どうしたの?」と優しく聞けば
「ぱららぱっぱら〜火炎放射機〜」
炎と氷属性の攻撃しかできない武器の登場です。ファントムキングダム参照
どこからともかく火炎放射機を出したマリィは有無を言わさず炎を辺りにぶちまけ資料を燃やし尽くします。
兄に危害が及ばないよう炎上した時に発生する火の粉や火柱の大きさを計算し、ほどよく火力を調整しながら燃やしています。ブラコンの鑑ですね。
「・・・」
炎上する倉庫を眺めるしかできないベル、絶句。