ディスガイア小説
□悪魔的運動会
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「ルールを説明するぜ!まず相手チームの誰でもいいから一人を動けなくなるぐらいボコボコにする!次にそのボコボコにした相手を地上三メートル上にあるあそこの籠の中に入れる!先に相手チームの一人をその籠に入れたチームの勝利だ!以上!説明終わり!」
「はぁ!?こんな無茶苦茶なルールがあるか!」
アデルがラウトに反論しようとしたその時です。
「うわー楽しそー」
ネアンが目をキラキラさせながら言うもんだから、アデルはギョッとしてネアンを見ます。
「え゛?」
「すっごくスリリングな戦いになりそうですね」
「リンリン!?お前・・・」
「絶対に負けられない戦いだな・・・」
「リアス!何真剣になってんだ!こんな酷いルールがあってたまるか!」
非常に好反応のチームメイトに、アデルは注意しますが、皆聞く耳もちません。今リアス達が考えているのは、どうやってこの勝負で勝つか、ただそれだけ
「まあまあアデルさん。一応アナタは悪魔社会のど真ん中にいる人間なんですから、そこは悪魔に合わせないと、皆敵に回しちゃいますよー?」
「ティンク・・・」
ティンクの一言で、アデルは諦めがついたのか、反論することをやめました。
「赤い方とは大違いだな」
「何か言いました?」
「別に・・・」
「時間無制限!勝敗が決まるまで続けるぞ!ちなみに魔法や特殊技は被害を抑えるため、使用禁止だからな!では!」
最後に注意事項をさらりと言ったラウトは、ポケットからパーティなどでよく使うクラッカーを取り出し、後ろから出る紐をつかみ、先端を上に向けました。
「よーい!ドン!」
パン。そんな音と共にクラッカーから色とりどりの紙が出ると同時に赤組一同は動き出しました。
「魔法が使えない魔法使いなんてタダのク○ボーだ!アリナを狙えー!」
「私!?」
リアスを先頭に、赤組は狙いをアリナ絞り、突撃開始。
ですがアリナもただ狙われるだけの○ーチ姫的存在ではありません。
「魔法系の私を狙うなんて作戦はお見通しよ!もしもの時に備えてこれ持ってて正解だったわ!」
そう叫んで彼女は議会様アイテムである爆弾を取り出しました。普段は居眠りしている議員を起こすためだけのアイテムですが、今回はこれを脅しに使うようです。大胆ですねぇ。
「もしも私を攻撃するような真似したら、この爆弾に火をつけるわよ!」
マッチを右手に、爆弾を左手に持って立つアリナの姿は、まるで爆弾で自害する寸前の人みたいでした。
うかつに手を出せない状況に、赤組の方々は皆、手と足を止めてしまい、めんどくさいからもういいや〜と諦めて何人かがターゲットを変更するためこの場から去りました。
一分も経たない内に、この場にはアリナとリアスとヤイナの三人が残りました。
緊張感が張り詰める空気の中、始めに声を出したのはアリナです。
「アンタ達はターゲット変更しないの?」
ニヤリと笑って二人に問うと、リアスは返事をせず、静かにアリナに近づき、彼女の目の前まで来ました。ヤイナはずっと黙っています。
「え?」
何でこんな状況でこっちに近づいてくるの?アリナが言葉を発するより先に、リアスが動きます。
「ていっ」
べしっ、とアリナの手を叩き、彼女の手から爆弾を落としました。
爆弾は地面に激突する前に、リアスによって空中でキャッチされ、そのまま後ろに投げられます。
「あ゛!」
「オーライオーライ!」
爆弾が投げられた方向にはヤイナがおり、彼女は宙を飛ぶ爆弾を小走りで追いかけ、爆弾の落下位置と自分の場所がぴったりと重なったところで足を止め、武器の剣を野球バットのように持つと
「目指せ!巨○の星ぃ―――――!!」
謎の叫び声と共に、爆弾を野球ボールのように打ち上げました。爆弾は星になりました。きらりん
「・・・・・・」
まるで流れ作業のように自分を守る盾(爆弾)を星にされ、アリナはぽかんと口を開けて星になった爆弾を見上げています。
その瞬間です。彼女は寒気を感じました。自分のすぐ近くから感じました。寒気の発信源は
「これでお前を守る物はなくなったな」
両目をぎらりと光らせ、アリナを見下すリアスでした。彼女はこの瞬間、赤組の勝利を確信していましたが
「甘いわ!」
とっさにリアスはマッチに火をつけ、それをリアスの額に押し付けました。
「熱――――――――――!!」
「チャンス!」
額を中心に広がる猛烈な熱さに、リアスは地面をゴロゴロと転がってしまいます。アリナはその隙にダッシュで逃げました。靴を装備しているので早目に逃げれました。
「師匠しっかり!」
「クソー!アリナの奴ー!」