過去拍手置き場
□第22話 遺跡で少女と死闘しよう
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モデルVが眠っている遺跡に足を踏み入れたヴァンとエール。そしてライブメタルズ。
彼らの目的はただ一つ、モデルVを破壊してロックマンの王というダさ(以下略)になろうとしているセルパンの野望を食い止める事です。
固く厚い扉に守られていた遺跡にはイレギュラーが徘徊しており、セルパンたちが先手をとっていた事が嫌というほど理解できます。
そしてイレギュラーも、侵入者を駆逐するため銃口をヴァンたちに向けて・・・
『邪魔!』
ヴァンには銃となっている右腕を斬られ、エールに頭を撃ち抜かれたイレギュラーは、そのまま後ろにひっくり返り二度と動くことはなくなりました。
ヒトの「感情」を持ち合わせていないイレギュラーは、むごたらしい倒され方をした仲間を見ても誰も動じず、銃口を向けて
「だから邪魔って言ってんでしょ!アンタたちイレギュラーは人語も理解できないほど頭の出来が悪いの!?オイルまみれなのぉ!?」
エールに頭をぶち抜かれました。
「今はお前たちの相手をしている暇はないんだ!俺たちに道をゆずれば命だけは助けてやるぞ!」
今日はどこかが違うヴァン、彼らしくない物騒な台詞を叫びながら、イレギュラーを横に真っ二つにしり縦に真っ二つにしたり。仕舞には頭にセイバーを指して、そこから縦に斬り落とす外道的攻撃もやってのけます。
『どうしたんだろう今日の二人、遺跡に来てから何かおかしい』
モデルXのぼやきに他ライブメタルズも同感。皆短い返事をして同意を表しました。
『やっぱモデルVが近いから気合入ってんじゃね?最初の奴なんて一分も使わずにぶっ壊したし』
実は、遺跡に入ってすぐ鷹のようなメカニロイドの襲撃を受けたのですが、あの調子で木端微塵に破壊。メカニロイドは反撃する暇もなくスクラップになりました。
のん気に指摘するモデルF。ライブメタルズは納得するしかありませんでした。
このミッションを成功させれば、あの憎きモヒカン・・・ではなくセルパンの野望を食い止め、世界を救うことにも繋がるのです。
そして、ジルウェの無念だって晴らすことができます。
『そりゃあ気合入るわよねー。特にエールなんて、アイツの名前聞くたびに罵詈雑言ぶちまかしてたもの』
『罵詈雑言!?』
モデルLのぼやきにモデルZが過剰反応した刹那、エールは遺跡の扉にチャージショットを撃ち込み、大きな穴を空けました。
「フン。大した事ないわね」
吐き捨てるように言った後、辺りを確認して敵がいないか確認。
周りには自分たちが破壊してきたイレギュラーの残骸と、エールの知能では理解するのは到底不可能な貴重そうな機械ぐらい。後はヴァンだけ。
「イレギュラーはいない・・・な。あれだけ暴れまくったんだからいなくて当たり前だと思う、というかいたらイレギュラーでも尊敬する」
「ちょっと、アタシの台詞勝手に取らないでよ。まあいいわ、すべこべ言ってないで先に進むべきよね」
ヴァンに道を譲るつもりはないエール。穴が開いた扉を蹴飛ばすと、扉は隣のエリアに吹っ飛び、乾いた音を立てた後地面を滑りました。
『あのー二人共、今までもミッションとは違いすぎてる素晴らしいやる気を見せてくれているのは嬉しいんだけど、ここって一応貴重な遺跡だからいたる所を破壊するのは・・・』
「モデルXったら何言ってんの、アタシたちだって馬鹿じゃないんだから遊園地の時(十一話参照)みたいに目先に気を取られすぎて、周囲をボロボロにしちゃうなんて失態は二度としないわ」
改めて辺りを見回せばすと、遺跡の至る所に刃の跡や弾丸の痕跡は多少あるものの、エリアHの時みたいな惨劇はありません。
これにはモデルXだけでなく、他のライブメタルも言葉を失います。反論の術がないので
「じゃあ、とっとと先行くわよ!」
「おう!俺は結局後ろだけどね!」
ヴァンの嘆きは無視して、二人は遺跡の奥へと進んで行くのでした。
次のエリアに入っても、二人の暴走は止まりません。止まるどころか、暴走の度合いはさらに増していっています。
「うりゃああああああ!」
「おっしゃあああああ!」
お互い雄たけびを上げながら駆けぬけ銃乱射&連撃を繰り出すエールとヴァン。
一見ただ本能のまま暴れ回っているようにも見えますが、遺跡に余計な傷をつけず、なおかつ一撃でイレギュラーを倒せるように計算しながら攻撃しています。
『今までの戦闘経験が、二人をここまで進化させたのね・・・』
『え?その一言だけで全部説明づけちゃっていいの?本当にそれだけで全部の説明になってると思ってるの?』
モデルLの呟きにモデルXが過剰にツッコむと、ヴァンとエールは勢いのまま水の中に落ちてしまいました。