過去拍手置き場
□第19話 チームワークとは何か
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前回のあらすじ。
早くもヴァンが使えなくなって、一人ぼっちのエールちゃん大ピンチ!
フツーの女の子がフォルスロイドに勝てるワケないじゃん!どーすんのよぉ!
「エールなら素手で勝てそうな気がして怖いです」by瀕死のヴァン。
地面から姿を現したのはモグラ型のフォルスロイド。
両腕から炎を出すフォルスロイドはエールを見るなり口を開きます。
「オメェがうちらのライブメタルとっとるガーディアンっつー奴らやな。よーやく見っけたで」
「アンタたちのライブメタルじゃなくてアタシのライブメタルよ。冗談言わないで」
「けっ、そー生意気な口聞いてられんのも今の内や・・・でっ!」
突然右腕をエールに向けたと思うと、そこから火炎放射が発射されるではありませんか。
「キャア!」
頭部を守りつつ間一髪で避け、地面を転がります。怪我はないもののヴァンからさらに離れてしまいました。
すぐに体を起こして立ち上がると、怒りを露わにしながらフォルスロイドを指して叫びます。
「いきなり何するのよ!もうちょっとでまる焦げになる所だったじゃないこのモグラ!」
「モグラじゃねぇ!ワシはモデルFのフォルスロイド、フランマールや!」
売り言葉に買い言葉でぷんすか怒るフランマール。いきさつを黙って見ていたモデルXは『そのデザインはどう見てもモグラだと思うんだけど・・・?』と疑問に感じていました。
「よくもワシをモグラ扱いしよったな!生まれてこのかた一回もモグラって言われた事ないんやぞ!」
「ウソでしょ。それ」
「ウソちゃうわ!もー怒った!ここでお前らボッコボコのズッタズタにしてライブメタル全部取り返したる!ついでにセルパン様から臨時ボーナスも貰ったる!」
「臨時ボーナス!?それっていくらするの!?」
「教えるか!」
絶叫と同時に腕から炎の玉が何発も発射され、逃げるという選択肢しか持っていないエールに情け容赦なく襲いかかります。
「うわっと!」
一発さけてもまた一発、その一発をさけてもさらにまた一発と、よけてもよけても切りがありません。
『エール!このままだと消耗戦になるだけだ!ヴァンを起こしてモデルZXにロックオンしないと大変な事に・・・!』
「言われなくてもわかってる!・・・よっと!でもアイツ気絶してるから!・・・ほいっと!大声で叫んでも起きないのよ!・・・ひょいっと!」
モデルHXにロックオンしたままのヴァンは存在を忘れられているのか、フランマールに狙われずに放置されています。
ここで彼がフランマールに気づかれずに目を覚ませば形勢逆転は目に見えています。しかしそう簡単に起きる程、彼の傷は浅くはありません。
「遠くからそっと起こすのは無理みたいね!・・・あらよっと!」
『彼が起きるのを悠長に待っている暇もないし・・・』
「しょうがない!あの手を使うしかなさそうね!・・・よっこいしょういち!」
『あの手・・・?というか攻撃を避ける度に台詞から緊張感が抜けてない?』
モデルXの指摘を軽々と無視。人の意見に耳を貸さず己の生き方を貫く。それがエールです。
何度もさけた事で余裕が生まれたため苦労せずに攻撃をかわし、ヴァンの元まで走り出しました。
「なんや?なんのマネや?」
さっきまで避けていたと思ったらいきなり倒れている仲間の方へ全力疾走する彼女に疑問を抱きながらも、右腕から炎の玉左腕から火炎放射を繰り出しながらエールの撃破を狙います。
火の玉と火炎放射のコンビは互いの威力を増していき、エールと同じぐらいの大きさの火の玉になって襲いかかってきます。
それがエールの元へたどり着くより先に、エールは気絶中のヴァンの元にたどり着いていました。
「こんの・・・」
疾走時の勢いを殺さないまま、エールが足を大きく上げた瞬間、モデルXはこの次の展開が予測できてしまいました。
巨大な火の玉はすぐそこまで迫ってきている中、エールは振り上げた足を
「寝坊助がぁぁぁぁぁ!」
ヴァンの頭部目がけて振り降ろし、メットで守られている頭部に重いダメージを与えました。