過去拍手置き場

□第13話 忘れ物には気をつけて
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『このままだとガーディアンベースは大打撃を受けてしまうわ!早く戻ってきて!』

プレリーからのSOSを聞き、ヴァンとエールは急いで転送装置を使い、ガーディアンベースに帰還しました。

「まだ襲撃は受けてないみたいだな」

ベースに帰るなり、ヴァンはほっとして息を吐きました。しかし、まだ油断はできません。

「何のんびりしてるのよ!早く司令室に行くわよ!」

のんびりホッとするヴァンにエールは叱咤し、二人は急いで指令室へ入ります。

二人が司令室に入ると、プレリーは回転椅子をすぐに彼らがいる方向に向け、椅子から立ち上がり

「二人共、大変なことが解ったわ!」

「大変なことって何だ?イレギュラー襲撃より大変なことってあるのか?」

ヴァンが言い、エールの足のすねを蹴られます。

悶絶する彼など気にせず、プレリーは現状の説明を始めます。

「それが、ガーディアンベースに向かっているイレギュラーの大群がセルパンカンパニーの手先であることがわかったの」

「セルパンの?」

セルパン。ジルウェを殺し、ライブメタルを集めてモデルVを復活させ、ロックマンの王という訳のわからない職業に就こうとしている、年齢=彼女いない暦を持つセルパンカンパニーの社長。

エールは彼の名前が出た瞬間、すぐに険しい顔つきになったことに、ヴァンはすぐ気付きました。

「(エール・・・)」

その時彼はあの時、ジルウェが殺されて一時間もしない時のあのエールの顔を思い出したといいます。

「ところでプレリー、どうしてイレギュラーの大群がセルパンの手の物ってわかったの?」

案外切り替えの早いエールは何気なく尋ねると、プレリーはもう一度椅子に座り片手でカタカタとキーボードを叩きます。

「これを見てすぐにわかったわ」

彼女がそう言うと、大画面のモニターに現れたのはイレギュラーの大群の中にある飛行艇です。その飛行艇の側面には

『株式会社セルパンカンパニー、従業員募集中!お問い合わせは×××-○○○-☆☆☆まで!』

と大きく書かれていました。

『・・・・・・』

この時、ロックマンモデルZXの二人は思います。何で敵の本拠地に攻める時に宣伝用の飛行艇を使ってくるのかと

二人のその様子に苦い顔を浮かべながらも、プレリーは一度咳払いをして

「とにかく敵がここまで近づいて来てるから、早急に万全な対策を・・・」

そこまで言った時、突然空を飛んでいるガーディアンベースが大きく揺れました。

「うわわっ!」

「な、何なの!?」

大きく揺れる司令室、ヴァンは思わず尻餅をつき、エールは倒れないように壁につかまりました。

大きな揺れの原因の答えは、求めていない内にすぐに返ってきました。

『セルパンカンパニーの飛行艇から攻撃が開始されました!こちらも迎撃を開始します!』

切羽詰った声が響き、プレリーは慌てて返事をします。

「手の空いている者はベースの機銃で迎撃を!飛行艇を近づけさせないで!」

「ヴァン!アタシ達も行くわよ!」

「おう!」

自分達も何かできることをしなくては!と二人は急いで司令室を飛び出し、ベースのエレベーターの前に来ます。

「何よ!今急いでるんだから早く来なさいよ!」

イライラしていることが目に見えて解るエール、何の罪も無いエレベーターに軽く蹴りを入れました。

そんな彼女をヴァンは慌てて止めます。

「お、落ち着けエール!物に当たるのはよくないって!」

「アンタね!今はこんなのんびり落ち着いている場合じゃ・・・」

エールが怒鳴りかけた瞬間、二人の前にエレベーターがやって来て、扉がゆっくりと開きました。

その中には、ジルウェが殺されたときセルパンと一緒にいた彼の部下、プロメテという不幸そうな男とパンドラという真面目なのか真面目でないのか判断に苦しむ少女がいました。

『・・・・・・・・・』

『・・・・・・・・・』

お互いはしばらく見つめあってしばらく黙った後、パンドラがエレベーター内のボタンを押し、扉は何事もなかったように閉まりました。

今起こった出来事が、半分信じられない様子の二人はすぐに我に返ると

「ちょ、今のは・・・」

『あの時僕をゴミくずって言ったヤツの仲間じゃないか!』

モデルXの絶叫。どうやら彼はあの時セルパンにゴミくずと言われたことをまだ根に持っているようです。
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