過去拍手置き場
□第8話 ヴァンの不幸な一日
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ビル街。そこは火の海に包まれていました。
「暑っ!」
「まるで火の海地獄ね」
そしてそこにいるのはやっぱりヴァンとエール、二人はモデルZXにロックオンした状態で、暑さに耐えながら火の海に包まれているビル街を進んでいました。
「ねえモデルX、この火を一瞬で消す能力とかないの?」
『エール・・・絶対楽しようとか考えてるね・・・』
「そうよ、何か問題でも?」
『・・・・・・』
楽したいエールは全く危機感がなさそうです。ヴァンは呆れてため息を一つ。
イレギュラーを倒しながら、しばらく進んでいくと、あるビルの入り口付近でガーディアンのメンバーが倒れていました。
「あ、死んでる」
「詳しく調べてないのに勝手に殺しちゃ駄目だろ!」
ヴァンがツッコんだ後、彼は急いでそのメンバーのもとへ駆けつけます。
「しっかりしろ!生きてるよな!」
「もう手遅れね・・・」
エールは遠い目で、火の影響で赤く染まっている空を見上げました。
「お前はどんだけこの人を殺したいんだよ!」
鋭い一括を飛ばすヴァン。もう必死、簡易転送装置でメンバーをガーディアンベースまで転送しようと思ったその瞬間
「う・・・君達は・・・」
「あ、よかった!生きてた!」
「お、生き返った」
大変弱々しいですが、ガーディアンのメンバーの彼は生きていました。よかったよかった。
彼は今にも死にそうなぐらい弱々しい声で
「人々を助けに・・・仲間がこのビルへ入ったんだが・・・炎やイレギュラーに阻まれて出てこられないでいるんだ・・・頼む、助けにいってやってくれ・・・」
二人にSOSを求めました。ヴァンはもちろん
「わかった!」
快く了解。で、エールはもちろん。
「それ、報酬いくらぐらいもらえるの?」
まずは報酬の話から、助けはそれからだ。
ビルの中、そこは外よりも酷い炎に包まれていました。
「うへー暑い・・・」
「ここは二手に分かれたほうがいいわね」
お、まともなこと言った、珍しい。ヴァンが感心しているのもつかの間
「モデルX、さっきも言ったけど、炎を消す能力とかないの?」
『あるにはあるよ。ね、モデルH』
『ああ』
「本当!?どうすればいいの?」
『えっと、まずあれをこうしてこうやって・・・』
「ふむふむ」
「・・・・・・」
さっさと行動開始しようぜ・・・。ヴァンの切なる思いは、エールに届くことはありませんでした。
数分後、なぜか二人はロックオンを解きました。
「何で?」
疑問を持つヴァンを尻目に、エールはモデルXとモデルHを取り出して
「いくわよ!ダブルロックオン!」
ぴっきーん
まばゆい光にエールは包まれ、その光がはじけるように消えた時には
「おお・・・」
そこには、緑色のバッタみたいなアーマーに身を包んだエールの姿がありました。
ヴァンは非常に驚いて
「な、何で!?」
ごくありふれた言葉を言うと、エールが偉そうに説明します。
「さっきモデルXに聞いたんだけど、モデルXと他のライブメタルを合わせると、モデルZX以外のモデルにもなれるのよ。これはモデルHXね」
「なるほど・・・でも、何で俺のロックオンを解いたんだ?」
「実はこのサイト設定では、モデルZX以外のモデル、まあモデルHXとかには二人一緒になれないのよねー。まあアタシは別にいいんだけど」
「はいいぃ!?すっぴんで武器もなしにどうしろと!?」
武器なしで戦場に放り込むなんて、よほど馬鹿でもない限り誰もしませんよ?
「大丈夫、アタシはモデルHXの力で火ぃ消してくるから、アンタは民間人を簡易転送装置を使って助けてあげてね。んじゃ」
「あ!ちょ、エール!!」
ヴァンが叫びますが、エールは全く聞く耳持たず、ボバリングでさっさとその場をさってしまいました。モデルZをヴァンにあずけて・・・