過去拍手置き場

□第6話 新しい旅立ち
1ページ/3ページ

光が消えると同時に現れたのは二人の人間でした。周りのイレギュラーは光に巻き込まれて破壊されていました。

二人とも赤いアーマーと金髪でしたが、一人は手に緑色のセイバーを、もう一人は銃を握り締めていました。

そして彼らは・・・前回ボロボロの状態で倒れていたヴァンとエールです。なんとまあ立派な姿になっちゃって

「これは・・・」

エールは驚きながら今の自分の姿を見ました。

「すげえ・・・カッコイイ・・・!」

ヴァンも同様に驚きながら今の自分の姿をゆっくりと拝見しています。

「すごいわ!あっという間にきれいな金髪の髪が生えてる!これでおしゃれし放題ね!」

「おー!先輩みたいでカッコイイ!」

のん気すぎるぞお前ら

『あ!あれ見て!』

モデルXが叫ぶと同時に、セルパンカンパニー本社の裏から飛行船が飛び立ちました。

「あそこに・・・セルパンがいるのね・・・」

何か険しそうな表情でエールは言います。悔しいのかこぶしを握り締めています。

「エール・・・」

エールの悔しそうな横顔を見たヴァンは、自分の無力さに腹が立ちました。好きな女の子にこんな表情をさせて罪悪感でいっぱいなのです。

なので彼はある提案を出します。

「エール!」

「何よ」

「どうせなら、あの飛行船内部にいるアイツに悪口でも言ってやろう!完全に気分は晴れないとは思うけど、やらないよりましだろ?」

お前は子供か。

「・・・そうね!そうよね!」

そしてお前はその話に乗るな

二人の意見は見事に一致し、空高く飛んでいる飛行船に向かって叫び始めます。

「セルパンの馬鹿野郎―――――!!」

「セルパンのアホ野郎―――――!!」

「変な髪形しやがって!」

「そのリーゼントが今年の流行なわけないでしょ!むしろ時代遅れよ!」

「変な服着やがって!」

「いまどきそんな服、流行らないわよ!」

「どうでもいい野望持ちやがって!」

「ロックマンの王って時給どれくらいなのよ!」

「先輩殺しやがって!!」

「アンタが死になさいよ!!」

「どうせ彼女とかいないんだろ!俺もだけど

「この年で彼女いないなんて悲しいわね!ざまあみなさい!」

「馬鹿社長――――――!!」

「マヌケ社長――――――!!」

「ゼェ・・・ゼェ・・・これぐらいでいいか・・・?」

「へばってんじゃないわよヴァン!まだまだ言いたいことは沢山あるんだから!」

「まだあるのかよ!!」

エールの悪口レパートリーは底を知りません。

『ゴミクズって言う奴がゴミクズなんだぞ!!』

『混ざるな、モデルX』





セルパンカンパニー飛行船内部にて

「・・・なんかアイツらお前の悪口言ってるぞ」

モニターを見ながら、プロメテは飽きれ半分でセルパンに伝えます。

「・・・まさに負け犬の遠吠えね・・・」

少し満足そうな表情でパンドラは言いますが

「・・・・・・」

セルパンはずっと黙ったままです。一体どうしたのでしょうか

「ん?どうした?」

セルパンの異変に気づいたプロメテは、振り返りセルパンを見て言います。

「・・・悪いのか」

「?」

「彼女が今まで出来たことがないことがよほど悪いのか・・・!そうなのか・・・!おのれ・・・!まだ若いからといって調子に乗って・・・!!」

大企業の社長さんは涙目で自分のひざをバンバン叩きました。そこまで辛いのか

「・・・泣いた」

「・・・馬鹿だ」

それを見る部下二人のまなざしは、決して同情をする目ではありませんでした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ