過去拍手置き場

□14話 海の悪魔
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前回のあらすじ
ハイウェイにイレギュラーの大群が現れて人々が襲われていると聞いた我らが正義のロックマンモデルAのアッシュちゃんと下僕のグレイ!
うっかり車で逃げて渋滞を起こした人々を狙うメカニロイドを撃ち落とし!町の英雄になったアタシは歴史に新たな伝説を刻み込みながら、逃げる人々を追ってくるイレギュラーをばったばったと倒して行くのであった!
ちなみにアッシュちゃんを崇拝する教はそろそろカンストを迎え(以下、自慢話なので略)





エイ型メカニロイドを木端微塵のスクラップにしたアッシュとグレイのロックマンモデルAご一行様は、ハイウェイを駆け足気味に進みます。
スピード違反を取り締まるメカニロイドに目を着けられたら面倒なので、速すぎず遅すぎずというバランスを保ちながら。
「グレイ、最初にアタシが言ったイレギュラーを1匹残さずぶっ壊すっていう約束はちゃーんと守ってる?」
「守ってるよ!僕たちの後ろには人っ子1人どころから動くモノはないってぐらい守ってる!」
実際は避難している人々が必死になって逃げていますがさておき。
「それならいいわ。ここでイレギュラーを取りこぼすと、折角助けた上にアタシを崇拝し始めた人たちに示しがつかなくなっちゃうし、更なる信者ができなくなってしまうんだから、これからもしっかりやるのよ」
「はーい」
全ては己の信者のため。つまりは自分の株のため。シンプルかつ欲望フルMAXです。止める者もいなければ止める物もいません。モデルAはすっかり諦め気味なので。
「それにしても不思議よねぇ」
『なにがだ?』
近くにイレギュラーがいなくなってふと、足を止めたアッシュ。そのままハイウェイの端まで行き、そこから下を見ます。
息を飲んでしまうような高さのハイウェイ下に広がっているのは海・・・のハズですが、その海の表面はぶ厚い氷に覆われており、波打つ音すら聞こえません。誤って転落したイレギュラーがバラバラになる音はしょっちゅうするのですが。
「あの時は緊急事態だったからスルーしてたけど、これって結局何なのかしら?今は冬でもないしここは寒いサムイ北極圏でもなければ南極圏でもないのに」
「不思議だねー」
いつの間にかアッシュの横に立ったグレイ、視界を動かしてハイウェイ先を見ても氷に覆われた海は続いています。ヒビ割れ1つありません。
『イレギュラーが落ちてもグレイが落ちても何も起こらない限り、害があるとは思えないけどよ』
「まだ断定するには早いわ。もしかすると敵の罠って可能性だってあるんだし、上から来るか下から来るかはたまた左右どちらかから来るか・・・常に身構えてた方が良さそうね」
議論していても分からない事は分からないので先に進むことにします。こういう時に切り替えが早いのがアッシュの長所。短所は言うまでもありません。
「もしかして、僕たちが油断していた所でハイウェイごとどかーん!ってコトかなぁ?」
「ありそうありそう。イレギュラー作って人々襲わせてる外道な真似を常にしてる奴らなら絶対1度か2度は考えてそう・・・ってチョトマテ」
「どうしたの?忘れ物しちゃった?」
「大丈夫よアタシは忘れ物をした事を忘れるタイプだから・・・じゃなくて、もしハイウェイごとど――――ん!ってするならまだ逃げ出した人々の安全は確保されてないってコトよね?素敵無敵美少女アッシュちゃんを奉る会の人員確保ミッションはまだ完遂されていないってワケじゃ・・・」
一気に不安になって青ざめる彼女ですが、モデルAはツッコみたい事がこの一瞬で山のようにできてしまい、
『おいお前、やっぱり救出ミッションはよく分からん宗教のために・・・』
最初のツッコミの途中、アッシュとグレイの頭上に影ができました。
「あら?曇りかしら?」
「今日は晴れだよー?」
とぼけた会話をしながら、見上げた2人が見たのは。
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