過去拍手置き場
□2話 ロックマンモデルA爆誕
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軟らかい感触がする。
大して容量もない頭にその情報を仕入れた途端、彼女の意識は覚醒へと向かって動き始めていました。
「はっ!」
覚醒と同時に彼女は毛布を退けて勢いよく起き上がり、止まります。
「ええっと・・・」
まず右を見て、白い壁があります。
左を見て、白いカーテンがあります。
上を見て、白い天井では二つ並んでいる蛍光灯がぼんやり光っています。既に片方は電気が切れているので取り替えたほうがいいですね。
「電球・・・」
それの印象が強かったせいで彼女・・・アッシュの思考は一定時間のみ、切れた電球によって支配されてしまいました。
電球・・・もう使い物にならなくなった電球がある・・・アタシは何をしていたんだっけ?切れた電球を眺めていたワケじゃない、もっと重大でビッグな事をしていたような・・・上で、違う空で・・・
「ふあああああああああああああ!」
ようやく全てを思い出したアッシュ、すごい形相で絶叫。狭い空間に乙女の全力の叫びがこだまします。
「そうよ!アタシは違法ハンターの船を追ってライブメタルを取り返すミッションをしていたのよ!でもプロ・・・なんとかって奴に先を越されて!ライブメタル横取りされて!賞金無くなって!詰んだ!」
「うるさいよ」
一人でひたすら騒ぐアッシュを戒める声の主はカーテンを開け、呆れた様子で彼女を見下していました。
その声は前回のミッションでアッシュを身震いさせた声にそっくりというか瓜二つでした。
「ニコル・・・?はっ!そうか・・・そういう事ね・・・」
「へ?」
前回のあらすじ
超絶美少女最強ハンターアッシュちゃんは今日もハンター業に大忙し!今日はライブメタルっていうお宝をゲットするために違法ハンターの飛空艇を沈めに来たわ!
途中でどこからともなく紛れ込んできたイレギュラーに邪魔されたりもしたけど無敵の強さを誇るアッシュちゃんの敵ではない!たった二発で地上へ落とし、この世で生ける全ての生物にアタシに逆らったらどうなるか知らしめたわ!これでまた無駄な争いが減るわね、やったあ!
違法ハンターの飛空艇に到着したのはいいけど見るからに幸薄そうな男が目の前に現れたわ。きっと死因は毒死でフグの毒にあたる系のやつね、多分。
幸薄そうな野郎はともかく無敵超人ハンターのアタシはそんな奴をケチョンケチョンにのして違法ハンターの船に乗り込んで
「アッシュストップ、これ以上喋ったら君が主役の物語が紡がれるだけだからもうやめようね」
途中からあらすじにならなくなったアッシュによるアッシュのための前回のあらすじは、唐突に終わりを迎えたのでした。
しかしいい気分で語っていたアッシュは当然いい気分ではなく、不機嫌そうに頬を膨らませ
「なによーアタシは真実しか語らないんだから別にいいでしょ?話は盛るタイプだけど」
「その盛り方が尋常じゃないんだって」
詳細は前回のあらすじの通りです。
アッシュは不機嫌なままですがニコルは幸薄そうな男・・・ではなく、あの時違法ハンターの船に乗っていたプロメテと名乗った男について話します。
あの後アッシュだけ奴の攻撃を喰らい、打ち所が悪かったため気絶してしまった後、プロメテが突然
「パンドラちゃんどうしたの?・・・アイツが逃げた!?だから何度も勝手に出しちゃダメだって言って・・・はい?勝手に?自分から出てきた?いやペットにしちゃダメだから!とにかくアレに報告して!今から帰って来るから!おみやげ?分かった10分で買ってくる!」
と、慌てながら喋った後こちらを見向きもせずに転送され、その場には呆然としたままのニコルと仲間たちが遺されたという・・・
「プロメテは良くわかない理由で去ったが・・・結局イレギュラーに船を襲われてしまって船は落ちた、それでも運よくライブメタルを回収できて、ここのハンターキャンプの人たちが列車でレギオンズに運ぶそうだ」
「ここのハンター?」
「ああ、そういえば言ってなかったな。ここのハンターキャンプの人たちが倒れていた俺たちを運んでくれたらしい」
するとアッシュ、突然ベッドから降りてじだんだを踏み始めるではありませんか
「ってことは賞金横取り!?アタシたちが狙ったてたのにぃ!腹立つー!漁夫の利―!」
「ここで病室だから騒ぐなって」