DFF小説

□閃光さんの憂鬱
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毎度おなじみコスモスとカオスが争いと続けている神々の世界。

そこに新しく仲間として加わった人物の一人、ライトニングはコスモス家のダイニングで一人、テーブルの上に伏せて悩んでいました。

はたから見ればふて寝してるんじゃない?と思われるような様子に、全く動揺せず近寄ってきたのは彼女と同じ時期にこの世界へと呼ばれた女性、ティファでした。

「ライト?どうしたの?お腹でも痛いの?」

優しい彼女はまるで失恋した友人を慰めるような口調と声で、テーブルの上に伏すライトニングに声をかけ、彼女の肩を優しく叩きました。

ライトニングはティファの言葉をしかとその耳に入れ、頭の中にある脳にそれを伝えた約五秒後に頭を上げ、声をかけてきた彼女を見ると

「いや、私は大丈夫だ・・・ただ少し悩んでいただけの話・・・」

「悩み?悩みなら聞くよ?」

ライトニングの隣の席に腰掛けたティファは、いつも冷静沈着でブレなくてちょっぴりツンデレの気があって、一番年上のラグナよりも皆をまとめる素質がある彼女が抱える悩みとは一体どんなものなのだろうかと、考えながら尋ねました。

ティファの優しさに内心感動しつつ、ライトニングはすぐに悩みを打ち明けます。

「実は・・・最近テレビや雑誌などで自分よりも年下の少年少女を見ると何故か胸がときめくんだ

「・・・・・・・・・」

はい?何か聞いてはいけ無い事を聞いてしまったような気がしたティファは、心の中でどっと汗を流して今、ライトニングが発した言葉を復唱してみました。

「えっと・・・胸が、ときめく?」

「ああ・・・何故そうなるのかはよくわからないんだ・・・もしかしたら、元の世界の記憶が関係していると思うが・・・」

そりゃあ素でときめいてたらちょっと怖いよ・・・。一生明かすことのないティファの本音。

この世界に呼ばれた戦士達は皆もとの世界の記憶を失っており、あるカオスの戦士曰くそれは戦いを得て取り戻していくのだと言います。

そんなややこしいシステムの影響を受けているため、元の世界の記憶があまり無いライトニング。しかもこちらにやってきてまだあまり日も経っていないため、正直ほとんどの記憶がありません。

「全く・・・何故こんなややこしくて何のメリットもないシステムを作るだ神竜め・・・」

「元の世界の記憶は無いのに神竜のことは知ってるんだね」

「ああ、この前セシルが「兄さんが教えてくれたおっておきの情報教えてあげる」と満面の笑みで教えてくれた」

「・・・・・・へぇ・・・」

まだこの世界に慣れていないティファ。セシルの異常ともいえるブラコンに、全く理解を示していません。まあ当然といえば当然の反応かもしれませんが

「セシルのお兄さんって・・・確かカオスの戦士だったよね・・・?なのにどうしてこちら側にあっさり情報を教えてくれるのかしら」

「それを暇そうにしていたバッツという馬鹿そうな男に尋ねてみた所「俺達をそんな堅苦しいもので縛ることはできないぜ!」と意味のわからない台詞を言って去って行った」

「・・・・・・うわぁ」

確かに毎日自由気ままに生きているばk・・・じゃなくてバッツを規則等で縛ることは困難極まりないと思われます。しかし常識人ティファ、一切理解不能。

もしかしたらカオス軍よりもこちらが混沌なのではないのか?そう思い始めてきたティファですが、ここで飲まれてはいけないと話を戻します。

「話を戻してさ、ライトはどうして自分が年下を見ると胸がときめくのか知りたいんでしょ?」

「もちろん」

「だったら、カオスの戦士達と戦っていけばいいんじゃない?アイツらと戦ったら徐々に記憶を取り戻せるそうだから、きっとライトの年下好きの理由だってわかるかもしれない」

かも。という言葉を若干強調させてティファは断言すると、ライトニングは半分閉じていた目を見開くと

「それもそうだな。よし、なら少しカオスの奴らをシめて記憶を取り戻してみるとするか」

シめるの「シ」の部分に若干黒い存在が見えたような気がしてならないティファですが、指摘したら後が怖いので何も言わないでおきました。

余談ですが、新しく入ったメンバー以外のメンバーは元の世界の記憶を全て取り戻しています。理由はわかりきっていますよね?





さて、所変わってここはコスモス家から少し離れた場所にあるお花畑。

三月の後半ぐらい、つまりは春先になると蕾だった花は一気に開花し、冬の間は寂しかった草原を、色彩感覚抜群の花の絨毯へと変えてくれます。

赤に橙黄色に緑、沢山の花が咲き誇っている花畑の上で、まるで子供のように花を摘みながらお喋りしているのはティナとユウナ。

ティナは自分の横に咲いていた白い花を見ると、小さく笑ってそれを指し

「見て、この白い花たまねぎ君の頭の白い飾りにそっくり」

「わぁ本当ですね!その白くて可愛い所も彼にそっくりですね」

「ふふっそうね。持って帰って見せたらあの子なんて言うかしら」

非常に和やかなほんわかとした空気。春先で暖かいという理由もありますが、彼女達の間には戦いの輪廻に巻き込まれているこの世界の空気とは、似ても似つかぬ穏やかな気候がありました。

そんな平和な様子を、物陰からこっそりと見ている人物が一人。

「おおっ、今度こそティナちゃんをカオス側に連れ戻そうと思ったら、なにやら新入りの一人がいるよぉ〜」

ばれない為に頭に葉っぱをつけて地面に伏して一人呟く彼の名はケフカと言いました。あの独創的な格好とメイクを葉っぱ数枚で保護するのは多少、というかかなり無理があるような気がします。
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