DFF小説
□天の川に願いを
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九人はわいわいがやがやと楽しそうに短冊にそれぞれの願い事を書いていきます。
「さて、やっぱりここは「世界中にのばらが咲くように」と書くべきか」
テーブルに座り、ペンを持ち長方形の紙に向かって何を書こうかフリオニールが考えていると
「書けた!」
隣の席にいたティーダが紙を持って嬉しそうに大声で言いました。
「早いなティーダ」
「まあ日ごろから願ってた事だけど、思い切って織姫と彦星に頼んでみるッス」
「何て書いたんだ?」
フリオニールが問うと、ティーダは笑顔で自分が書いた短冊を彼に渡しました。
「どれどれ・・・?」
早速それに目を通してみると
「早く親父がアーロンと同じところに行きますように」
「さり気なく死ねと言ってるぅぅぅぅぅ!!」
「うわっ!何だよのばら!いきなり大声出して」
大げさに驚くティーダにフリオニールは激しく講義。
「お前なぁ!実親に死ねって何言ってるんだ!親孝行しろ親孝行!」
「実親がいないのばらには俺の気持ちなんてわかるわけないッスよ」
「わかるかボケぇ!普段から仲悪いとは思ってたがここまで悪いとは思わなかったぞ!てか10本編の終盤の涙はどこ行ったぁ!」
「あれ?あきれて出てきた涙だぞ、今まで俺と母さん放っといてこんな馬鹿げたことして・・・って意味の」
「お前は保護者か!」
珍しく暴言を吐きまくるフリオニール。そんな彼の肩をポンポンと叩く人物が現れました。
「まあまあ落ち着けのばら」
「ジタン・・・」
身長差ありすぎとか言ってはいけないんですよ奥さん
「ティーダにはティーダの事情があるんだって、そこはちゃんと解ってやんねーと」
「そうか・・・それもそうだな、すまないティーダ」
フリオニールはペコリと少し頭を下げ、短冊をティーダに返しました。
「いいッスよ。誤ってくれるんならそれでいいから」
ティーダは短冊を受け取り、笑顔で許してくれました。心が広いですね。
だけどフリオニールは
「(あれ?何気に俺悪者になってないか?)」
何て疑問が浮かび上がってきますが気にしないで置こうと思い、その疑問を自分の中の宇宙の数万光年彼方に置きました。
「そうそう、俺も願い事書けたぜ」
満足気にジタンは手に持ってる短冊をひらひらさせます。
「マジ?見せて見せて!」
早速興味を持ったティーダはくれくれとジタンに短冊を催促します。
「いいぜ、のばらも見るか?」
「いいのか?」
「別に見られて恥ずかしい願い事じゃねーし、それに俺の願いは全世界の人が願っていることだから」
ほい、とジタンは短冊をフリオニールに渡しました。
「どれどれ・・・?」
早速それに目を通してみると
「早くクジャがこの世から跡形もなく消えますように」
「ティーダより酷いぞこれ!」