ディスガイア小説
□みんなで楽しく?クッキング!
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「・・・実は一週間前、師匠の体調が悪くなったんだ・・・」
一体何かあったのか、リアスが尋ねるとエーゼルはあっさりと口を開きました。
「それで、体調が良くなるように俺自らが手料理を作った」
「へーいいじゃない」
アリナが軽く相槌を打つと、エーゼルの口からとんでもないセリフが
「できたそれを師匠に食べさせたら火を噴いて倒れた」
『!!?』
おい。それはどういうことだ。三人の思いはこの時一つになりました。
「カレーを作ったんだが・・・煮込む際、唐辛子を二十本入れたのがまずかったらしい・・・」
エーゼルは辛党です。
「そりゃあ火を噴いて倒れるわよ・・・」
呆れて言うアリナは頭を抱え、サラを心配したのかリアスは
「で、その火を噴いたサラはどうなった?」
「病院で入院中・・・」
うあっちゃ〜・・・そりゃあ入院するって・・・三人の思いが再び一つになった瞬間
「話は聞かせてもらったぜ!」
じゃーん。という演出SEと共に、堂々とした様子のラウトが四人の前に現れました。彼の側にはヤイナと主役Bの姿もあります。
この組み合わせ等だけで十分嫌な予感がしますが、ラウトは余地能力なんて持ってないのでわかる訳がありません。彼はエーゼルの肩に手を置くと
「エーゼル、お前のつらーい気持ち、俺はしかと受け取った。こうなったらもう一度手料理を作って名誉挽回するしかねぇ」
「アンタ・・・」
エーゼル、ちょっと感動。
「だが俺は自慢じゃねえが料理なんて全然できねぇ!だけど心配するな!リアスが俺の変わりにまともな料理教えてくれるから」
「おぉ・・・」
「誰がそんなめんどくさいことするか!」
話をリアスにとって嫌な方向に動かしていったラウトに、リアスは鋭い一喝を飛ばしました。
ホルルト村、お料理教室会場。大体アデルの家から徒歩五分ぐらいの場所にあります。
「本日はこの会場を一日だけレンタルすることに成功したぞ!俺の財力なめんなよ!」
偉そうに叫ぶラウトですが、実は今日はお料理教室の先生が父親の葬式で至急お休みしたため、偶然開いていたこの場所を貸してもらっただけだったりします。無論タダで
しかしそんな事情を全く知らないヤイナと主役Bは
「ラウトすげー」
「荒業だね」
何て言い、彼に拍手を送っていました。騙されているなんて知らずに
そんな馬鹿たちを軽く無視したリアスはというと、青色で模様も何もないエプロンを、悪く言えば結構地味なエプロンを着用していました。
「結局教えることにしたの?」
暇つぶし程度に見学しに来たアリナはリアスに尋ねました。
「ああ、本当は断りたかったが・・・エーゼルの純粋な瞳を見たら断る気が失せてな・・・」
「純粋な瞳って・・・」
今、流しで手を洗いながら闘志っぽい炎をごうごうと燃やすエーゼルを見て、アリナは「コイツがそんな瞳をするのだろうか・・・」と真剣に思いました。
そんな彼女達の近くでは・・・
「料理経験とか全くない俺達だけど!将来何かと役に立つかと思い!協力して何か・・・ハンバーグを作ってみようと思う!」
『いえーい!!』
「・・・・・・」
再び大声で叫ぶラウトと、ノリノリのヤイナと主役B、そして酷く呆れている表情で腕を組み、その様子を伺っているユイカの姿がありました。
「で、ハンバーグ作るのはいいとして、俺ってレシピとか全然知らないわけなんだけど・・・ヤイナは知ってるか?」
「え、全然」
尋ねられた彼女は、当然首を横に振りました。
「じゃあB作は?」
「え?B作って僕のこと?」
「うん。で、レシピ知ってるか?」
「うーん・・・全然知らないや。ユイカちゃんは?」
主役Bが話をユイカに振ると、彼女は呆れた様子で
「そんなの知ってるに決まって・・・」