ディスガイア小説

□悪魔的運動会
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さて、すっかりアリナを殺ることを諦めたリアスとヤイナ以外の赤組の方々は、皆ターゲットを変更していました。その中で最も危険と言っても過言ではない腹黒アーチャーリンリンはというと

「待ってくださ〜い、その命を私にくださ〜い」

「うわああああああああん!!」

走りながら矢を連射連射の打ちまくりで、泣きながら必死に逃げるサラを追いかけていました。アーチャーがシーフとほぼ同じスピードで走っています。凄いです。それほどリンリンの信念が強いということなのでしょうか

「盗賊のアナタは他の方々と比べて能力地が低いことぐらい知ってます。なのでアナタはアリナさんの次に狩りやすいのです」

「それ誰に言ってるの!?狩るって言葉がちょっとグロイよ!?」

「あら?そうですか?・・・じゃあ殺るって表現に変えましょう」

「言葉遣いの酷さがワンランク上がってるよぉ!うわーん!この人怖いよー!笑ってるけど本心から笑ってない笑顔だよー!!」

目に涙を浮かべて逃げ続けるサラですが、恐怖のあまりうっかり石につまずいて前に転んでしまいました。

「あべしっ!」

それはやられた時に使う台詞ですよ?

「いたたた・・・・・・はっ!」

転んだサラは、後ろから物凄い漆黒のオーラを感じたので恐る恐る振り返ってみると

「ターゲット、ロックオン」

冷ややかな声でこちらに向かって弓を構えるリンリンの姿がありました。そしてすぐに矢を発射。

もうダメ!サラが目をつぶった次の瞬間


ぱんぱんぱん


何か乾いた音が聞こえてきたと思うと、リンリンが放った矢が全て空中でポキリと割れて地面に落ちました。

無残にも全ての矢を打ち落とされてしまったのを見たリンリンは、慌てるどころかとても冷静でした。

「あらあら、もう邪魔者が来てしまったようですね」

「え?」

サラは驚きながら回りを見回してみると、なんと、エーゼルが近くの木の下にいました。どうして彼はこんな比較的暗い場所にいるのでしょうか、謎です。

「エーゼル!」

「やはりアナタでしたか」

笑顔で穏やかな口調を使うリンリンですが、その目には殺意しか満ちていません。

エーゼルはそんな子供だったらビビって泣き出しそうな様子のリンリンに動じることもなく、言い出します。

「・・・俺の師匠が随分と世話になったみたいだな」

「あら、アナタ、悪魔のくせに敵討ちでもするんですか?」

敵討ちって、サラはまだ死んでませんが

「悪いか」

「敵討ちなんて悪魔ららしくありませんよ?」

「・・・別にいい」

「そうですか」

リンリンが弓をエーゼルに向けて構えました。エーゼルが銃口をリンリンに向けました。

「アンタだけは敵に回したくなかったんだがな」

「あら、それは私も同じですよ?」

二人のこの言葉を引き金に、戦いの火蓋は気って落とされました。


じゅどーんどかーんずがががががが


「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」

一瞬にして戦場と化したこの場所に、サラは恐怖のあまり地面にはいつくばったまま一目散に逃げていきました。





周りが完全に戦場と化してしまった中、一際静かな所が一箇所だけありました。

「のうタロー」

「何ですか姫様ー」

ロザリーとタローがいるこの場所、そこだけ戦火が飛んでくることはありませんでした。やはり魔王の娘とだけあって怒らせるとこっちが危険な目に合うと踏んだのでしょうか

「たった今、余はこのたまいれに勝つ唯一の方法を思いついた」

「そうなんですかー姫様すごいですー」

家来(自分より六歳年下)に褒められて、ロザリーは満足そうに話を続けます。

「ふっ・・・そう褒めるでない。じゃがその方法を使うためにはタロー、お主の協力がどうしても必要なのじゃ」

「え?」

突然そんなことを言われ、キョトンとするタローに、ロザリーは両手でポンと優しく彼の肩に手を置いて語りかけます。

「タロー、お主は余の家来じゃ。余の家来なら余の為にどんなことでもできる、そうじゃろ?」

「はい姫様!僕、姫様のためなら火の中でも水の中でもがんばります!」

瞳をキラキラさせてタローが言うと、ロザリーは小さく笑って

「では、早速作戦を開始するぞ!余の指示通りに動くのじゃ!」

「ハイ!姫様!」

子供にどんな重労働させる気ですかアナタは
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