★餡子小説02★

□二人旅
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今は列車の車両には僕たちしか乗っておらず、夏の日差しが窓辺から差し込む。
それが気持ちよくて、僕も寝そうになる。




瞼が閉じそうになっている菌に、彼の頬をむにゅっと摘んだ。



「なにするのだぁ・・・?」

「ぷにぷにする・・・。赤ちゃんみたいな肌だよね菌の肌は。」

「そうか?じゃあお肌すべすべーってやつか?」



菌はハハっと声に出して笑った。
縦長い椅子の上に足を乗せて、完全にリラックスムードの菌。

僕もくつろぎながらボーっとして、窓の外を眺める。


窓の外には一面の海が広がっている。
まだ海は開かれていないため、砂浜には人っ子一人居なくて・・・ただ広い広い海が見えていた。


「ねぇ、菌」

「ん?なんだ?」

「海・・・見に行こうか」

「海?まだ季節的には早いんじゃ・・・」

「でも僕海見たくなっちゃった。次の駅で下りてもいい?」

「あぁ。いいのだ」



菌は体を起き上がらせ可愛い笑顔を僕に向けた。
僕はその笑った唇にそっとキスを1つ落とした。




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