★餡子小説02★
□学パロ:それは始まり
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(お願い!ぶつからないでほしいのだ!!)
キーッ・・・・・・・・・・・・・。
ぎゅっと目を閉じていた目を恐る恐る開いた。
地面に足がつき、自転車はどこにも人を引いた後もなく無傷だった。
「あ・・・れ・・・?」
いつの間にか自転車は停止していて、菌は目を丸くしていた。
「まったく、スピード出しすぎだと思うんだけどな。1年生」
「・・・・え・・・?」
びっくりして、菌は声のした後ろへと首を向けるとふわふわと風が吹く。
桜の花びらが舞い落ちる中、声を出したのは菌と同じ制服を着た少年だった。
栗色の綺麗な短い髪を風に揺られ、透き通った髪と同じ色の瞳は菌をまっすぐに見つめ
そして、アジア系統の整った顔・・・。
この近辺ではそうとう見ることが出来ないくらいの端正な顔立ちだ。
鼻筋はスっとしており、少し堀が深く大きな二重の瞳・・・
男の菌でも驚くくらい美しいと思い見とれてしまう。
頬もしらずに赤く蒸気する。
同じ制服ということは、同じ学校なのだろうか。
「・・・あの・・・」
「ここの坂は急だからちゃんとブレーキをかけないとね」
「あ、すみません!」
「ハハ、そんなに畏まらないでよ。まぁこれからは気をつけてね。あ、そうだ!
今から一緒に学校に行こうか」
「え?あ、はい・・・(一緒にって・・・心臓がもたないのだ!)」
少年は菌へと近づくと、菌はメガネ越しから見る端正な顔に顔をますます赤くする。
自転車を降りて、自転車を押しながら少年と同じ歩幅で歩く。