★餡子小説02★
□学パロ:それは始まり
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「ハイ。トーストお待ちしたのだ!」
「やったー、食べま〜す♪」
「いっただっきまーすw」
トーストとヨーグルトと牛乳を食べ2人は一気にそれを食べ終え
食べた皿などを、台所に放置するとそのまま菌を置いてマンションから出て行った。
「・・・置いていかれたのだ・・・」
何事もすることが遅いためか、菌はゆっくりとご飯を食べていた。
だがもう出て行かなければいけない時間のため、菌は食べかけのパンを口に含むと
そのままマンションを出て行った。
マンションの自転車置き場から自転車を取り出し
そのまま春の風に菌の綺麗な漆黒の髪をなびかせながら自転車をこいだ。
桜が舞い散る急な下り道。
ひらひらと桃色の花びらが地上へと落ちる。
それを眺めて、菌はうっとりと下り道をノーブレーキで下っていた。
「・・・綺麗なのだ〜。やっぱ入学式日和だな〜・・・・って・・・うわああああ!!!」
桜に見とれていた菌だったが、急な下り坂のためブレーキをかけずにいると
スピードがとても出て、下のT字路へと急降下だった。
菌はブレーキをかけるが、スピードに乗り出した自転車は中々
スピードを落とすことがない。
「ちょ、止まれなのだ!止まれ!!・・・それに・・・前方には人が・・・っ!」
ちょうど、下り坂の下のT字路からは人が一人通ろうとしていた。
「うわああ!危ないっ!!!!」
「・・・?」
菌がそう叫ぶとT字路に歩いていた人物は菌の方へと目を向けた。
その人物と菌の自転車の距離はもう2メートルをきっていた。
自転車のスピードは増し、このままだとあと数秒でその人と衝突する。
ブレーキを握る手に自然と力が入り、ぎゅっと目を閉じた。