★餡子小説02★
□Rain
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「あーあ・・・どうしよう・・・濡れるのもやだなー」
と言ってここでジーっと雨を止むのを待つのは時間が勿体無い。
だからといって、濡れるのは嫌だ。
矛盾だらけだ。
「はぁ・・・誰かに迎えに来てもらうなんて
そんな都合のいいことしちゃ駄目だよな・・・」
ジーンズのポケットに入っていた携帯の画面を見て、菌はポツリと呟く。
登録している人の名前を見て
1番最初に入っている名前のところでボタンを押す。
『餡』
と書いて、下にはメールと携帯の電話番号が書かれている。
「・・・餡に迎えに来てとか言いたいけど、そんなの餡には迷惑だし
俺様だけが都合良いよな・・・。ん〜・・・」
携帯の画面を見て、菌は眉間に皺を寄せた。
画面とにらめっこする。
にらめっこして、1分経過・・・
2分・・・
3分・・・
「・・・雨一向に止まないな・・・しかもさっきより強くなってる・・・」
1度携帯から目線を上げ、もう1度空を眺めると
先ほどよりも強く雨が降っていた。
菌はもう1度携帯の画面を見る。