★餡子小説02★

□二人旅
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傍にいるのがこうも当たり前で・・・もしこの温もりがスルリと離れてしまったら、多分お互い崩れてしまうんだと僕は思うんだ。



<二人旅>



「きーん」

「・・・んぅ?なに?」


僕にもたれて、腕元に菌の小さな頭があるのがわかる。

久しぶりに2人で遠出をしたくて、SLマンが運転する列車に乗って2人で終電の駅までずっと
列車に乗りっぱなしだった。


特に何も話すこともなく、電車に揺られる・・・
まるで老後の夫婦のように2人で列車に揺られる。


色々な人々が列車に乗り、降りの繰り返し。
MDに入った夏っぽい曲を2人でイヤホンをわけて聞いて、その曲について話したり
携帯を弄ったりしたり、誰も居ないときは2人で写メを撮ったり・・・

そんなことをしながら、ずっとに列車に乗っている。


うとうとと眠気が襲ってきそうになっている
菌を時々見て、そっと頭を撫でると菌と目が合って、笑う。


ただそれの繰り返しだけなのに・・・それがとても幸せな時間なんだと思うんだ。
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