★餡子小説02★
□Rain
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雨は冷たくて・・・
ザーザーと音が煩くて・・・
そして、雨のこのにおいが嫌い。
<Rain・・・>
「あ・・・雨・・・」
スーパーから買い物を終えて、外に出ると
外はザーザーの大雨だった。
自分の腕にはたくさん買い物した
買い物袋がぶらさげてあって、空は真っ黒な雲がどんよりと浮かんでいる。
「・・・どうしよう、傘持ってきてないのだ・・・」
はぁっと深くため息をついて、菌はスーパーの入り口の端っこに行き
スーパーから出ていく客をぼんやりと眺める。
(・・・あいつら全員今日が雨降ること知っていたのか?
みんな傘持ってきてるし・・・誰か知ってる人がいたら、一緒に入れてもらえるのに・・・)
心の中でそう呟いたが、菌の知り合いと言ってもごくわずかで・・・。
大体の人間は菌を見ると敵ということで逃げていってしまう。
だからこうして買い物に来るときもわざわざ変装をしなければならない。
と言っても、菌の変装は普通に黒ふちの伊達めがねをかけて
適当に私服でくるだけだが。
「・・・はぁ・・・どうしようかな・・・。これじゃUFOのある場所まで
ずぶぬれになっちゃうし・・・早く帰らないと夕飯作れないのだ」
今日はドキンとホラーマンが外で遊びに行っているため
黴菌城では菌が一人となり、ご飯は別に遅くなってもいいのだが
こういう一人の時は家でまったりとしたい気分だ。