★菌アン部屋★
□パラソル・アンダー・ワールド
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「あれ・・・ばいきんまんいない?じゃあ、僕帰っちゃってもいいよね・・・」
部屋の床にはたくさんの難しい本や資料が散らばり、机の上には何台ものパソコン。
ベッドは隅っこに置かれてるだけで、窓からは日差しも通さないようにブラインドが閉まっていた。
(・・・ばいきんまんの部屋初めて見るけど、本当に・・・ひきこもってそうな部屋だな・・・。
だから、あんなにも細くて不健康なほど白いのがわかるような・・・)
「・・・おい、人の部屋を勝手に覗き込むな」
「!」
いきなり後ろで声が聞こえたため、アンは目を見開かせ勢いよく後ろを振り向いた。
そこにはダルそうに綺麗な漆黒の髪を手でかいて、口に煙草を加えてる白衣姿のばいきんまんがいた。
いきなり現れた敵にアンは自然と体が力む。
だが、いつもと違いばいきんまんには戦闘の意思がないため、体に入った力も少し抜ける。
「おい、餡子・・・てめぇ、俺様の部屋覗いて何やってんだよ・・・」
「う・・・別になんにもないよ!ただ、ちょっとばいきんまんを探してただけだもん」
頬を膨らまし、アンはふてくされながらそういうと、ばいきんまんはきょとんとしていた。
だが、すぐに口角を上げて笑う。
その不適な笑みにアンはたじろく。