★菌アン部屋★
□パラソル・アンダー・ワールド
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黴菌城につくと、アンパンマンはため息をついた。
黴菌城まで飛んでいくと、20分くらいで着くが徒歩で行くと1時間以上はかかってしまい
暖かいパンは少し冷めてしまった。
途中で雨が降ってきたため、ちょうど合羽を着てきてよかったとアンは思った。
「はぁ・・・なんで敵のところにわざわざパンを届けなくちゃいけないんだろ・・・」
合羽のフードを外し、プルプルと首を振ってアンは黴菌城の入り口にあるベルを鳴らした。
ブー・・・ブー・・・
「・・・でない。・・・出ない。じゃあ次ベルを押して出なかったら、僕は帰ろうっと♪」
少し背伸びをして自分の低い背よりも高いベルを鳴らす。
だが、相変わらず返事はないままでアンパンマンはだんだんと笑みを浮かべる。
「出ないんじゃ仕方ないよね、さて、帰ろうと♪」
アンはうんと頷いて、バスケットを持ちカエルの合羽にフードを被って帰ろうとしたときだった。
ウィーン・・・。
「・・・・・」
嫌な音がした。
それは、ちょうど黴菌城の入り口が開いた音だった。
アンはゆっくりと振り返って、笑顔が既に消えていてまたムっとした表情に戻る。