無双小説
□はじめての
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「悟空〜?どこにおるのじゃ??」
名を呼ばれた張本人は閉じていた目を開け木の上から下を見下ろす。
すると、ちょうど真下にウロウロと林の中を探す赤い褐色の頭を見つけて声をかけた。
「なんだあ〜?偉そうに俺様の名前を呼びやがって・・」
「そんな所におったのか!」
自分を見つけてパァっと目を輝かせるガラシャを正直面倒だと思いながら悟空は再度寝そべった。
「うむ、悟空はどこにおるかと気になって探しておったのじゃ!わらわもそちらへ行くぞ!」
悟空が居るのは高い木の上。
とても登ってこれそうな高さではない。
しかしコレと決めたら突っ走る傾向のある彼女である。
白手袋を取り、本気で登ろうとするガラシャに悟空はさすがに止めに入る。
「おいおい・・んな事すれば、そのフリフリした服がボロボロになるぞ?」
「でも悟空がそこにおるのじゃ、きっと気持ちが良いのであろう?ならば行く!!」
「だから〜・・」
ボリボリと頭をかく悟空。
必死で登ろうとするガラシャ。
傍から見れば仲のよい兄弟のようである。
遠呂知復活の際に光秀を引き入れようと使ったガラシャがこんな娘だったとは・・悟空は後悔していた。
「どうした?どこか痛むのか?」
「頭」
お前のせいでな、と内心毒づく。
「ならば、わらわが手当てしてやろう!早よう来い!!」
「あのな・・いいか?俺はお前ら親子を捕まえたんだぞ?慕われる覚えはないっつの!!」