無双小説

□ある日のできごと
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どうしてこんなことに・・

半蔵は頭を抱えた。





始まりは、その日の朝。

まだ日が昇りきらずに薄暗い静かな林に金属音が響く。

半蔵とくのいちである。

立て続けに鳴る金属が鳴る音。

幾度目かでくのいちのクナイは半蔵の鎖鎌に弾き飛ばされ、そのまま向かってくる鎌をくのいちは
器用に避けた後に体術へつなげて鎌を蹴り飛ばした。

半蔵もそれに応じ、しばし組み合う。

次第に疲れからスキをみせてしまったくのいちに「甘い・・・」と呟き、半蔵は足を引っ掛けた。

案の定くのいちが両手・両膝を地につけたところで今日の鍛錬は終了。


共通の敵・遠呂知討伐のために互いに協力し合う必要があった2人は合流してからというもの、こうして鍛錬をつんでいたのだった。

とはいっても一介の忍びでしかないくのいちが伊賀忍頭領である半蔵を負かせるはずもなく、正確には半蔵がくのいちの特訓に付き合っている形である。

遠呂知亡き後もこうして定期的に逢っては鍛錬を積んでいたのは、どこからか聞きつけた『遠呂知復活』の情報ゆえであったが、それよりも元々2人が互いに想い合っていたというのが裏事情である。

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