☆ss☆
□夏日
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ミーンミーン…
「…」
ジワジワジワ…
「…」
ミーンミーンミーン…
「だぁー!!ミンミンジワジワうるせぇんだよ!!」
万事屋の畳に転がりじっとしていた銀時が溜まらず起き上がった。
汗がだらだら流れている。
今年の夏の暑さは尋常ではなく、クーラーがない万事屋は蒸し風呂のように暑くなっていた。
「銀さーん静かにしてください。暑さが増しますから」
「そうアル…くたばれヨ銀ちゃん」
銀時の横で同じように転がっていた新八と神楽が半目で睨んでくる。
「新八、クーラー買おうや」
銀時は真面目な顔で新八に詰め寄ると言った。
一方詰め寄られた方は可哀想な物を見るような目で銀時を見た。
「そんなお金ありませんよ。夢は寝てから見てください」
しばらく見つめ合った後、銀時は再びごろりと転がった。
「どこかに涼しい所ねぇかなぁ…」
「「「……」」」
部屋に唯一ある扇風機からは生暖かい空気が送り出され、外は相変わらずセミの声が木霊している。
「あっ、ありますよここより涼しい所」
突然新八が言った。
「まじか!!」
「本当アルか!!」
ガバッと起き上がると二人は新八を覗き込んだ。
「マジです」
新八はニヤリと笑った。
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