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□風邪 ー銀時編ー
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「ぶぇっくしょん!」
万事屋に銀時の大きなくしゃみが響いた。
「銀さん大丈夫ですか??」
「あ゛ぁ〜」
豪快に鼻をかむと銀時は布団に潜り込んだ。
「神楽ちゃんの風邪、すっかり移っちゃいましたねぇ」
新八は笑いながら銀時の額のタオルを濡らし直した。
「神楽は?」
「すっかり元気になって定春と遊びに行きましたよ」
「あいつタフだなぁ…」
昨日の夜、神楽は熱を出して寝込んでいた。ところが一晩寝るとすっかり元気になり、その代わり銀時が熱を出して寝込んでしまったのだ。
「銀さんも薬飲んで寝たら元気になりますよ」
新八が薬を銀時に飲むように促すと、銀時は慌てて頭から布団を被ってしまった。
「ちょっ!!銀さん何やってるんですか!!」
新八は布団をひっぺがそうと奮闘したがビクともしない。
「…まさか、苦いからイヤだとか言うんじゃないでしょうね??」
「……」
無言の肯定。
「あんたねぇー…」
新八は呆れながら銀時がくるまっている布団を見つめた。
「三十路前のマダオが、何子供みたいなこと言ってるんですか!」
「俺まだ何も言ってないもん」
布団にくるまったまま銀時は答えた。
「''もん''じゃねぇよ!キモいんだよこのマダオが!」
新八が辛辣な言葉を吐き捨てると、ようやく銀時が布団から出てきた。
「ひどい新ちゃん!病人はデリケートなんだからもっと優しく接して!」
布団に寝たまま銀時は目元を拭う真似をしている。
「なら病人らしく薬飲んで下さい」
新八はむすっとした顔をすると銀時の目の前に薬を突き出した。
「…じゃぁ新八が飲ませてよ」
「はぁ?」
「だめぇ?」
銀時は目をうるうるさせながら猫なで声で首を傾げた。
「キモっ!キモすぎるよあんた!」
鳥肌をたてた新八は両手で自分を抱えこんでいる。
「いいじゃぁん。新八くんと俺の仲じゃない」
「どんな仲ですか…」
新八は今日何回目かわからないため息をついた。
「恋人…みたいな?」
「こいっ…!ーーわかりましたよ!飲ませれば良いんでしょ!」
新八は諦めて銀時の口元に薬を持っていった。
「あー違う違う!そうじゃなくてー…」
「まだ注文あるんですか??」
「く・ち・う・つ・しvみたいな?」
「!?」
新八は真っ赤になると薬を銀時に投げつけ部屋を出て行ってしまった。
「ぶっ…ごめん新八!戻ってきてーー!」
銀時の虚しい叫びが青空に消えていった。
END
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この後結局やってあげるんでしょうねぇ(笑)