☆ss☆

□秘密の時間
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キーンコーンカーンコーン…

「はい。じゃぁ今日の授業は終了ー」

教室の生徒たちはざわめきながら帰り支度を始めた。

「あー、志村弟。後で研究室きなさぁい」

教室の出入り口で立ち止まって銀八が言った。

「…はぁい」

これは合図。
二人きりで会うための秘密の暗号…

研究室と言うのは建て前で実際に会うのは誰も利用する事のない図書室だ。

国語の教師と言うこともあり鍵は銀八が管理していた。

ガラガラ…

「失礼しまぁす」

「おぉ、新八もコーヒー飲む??」

新八が図書室に入ると銀八が自分のカップにコーヒーを注いでいた。

「いただきます。てか良いんですか??」

「いいのいいの。どぉせ誰も来ないんだから」

新八の分のコーヒーを机に置くと、銀八は隣に座るように促した。

「ありがとうございます」

新八は軽く会釈しながら銀八の隣に座った。
その様子を頬杖つきながら見ていた銀八はおもむろに手を伸ばし新八の頬に触れた。

「な、なんですか??」

新八は顔を真っ赤にしながら少し銀八から離れた。

「いや、お前のそういうとこ好きだなぁって」

「はぁ?」

「ちゃんと''ありがとうございます''が言える子なんて今時居ないよぉ」

頬に触れていた手を新八の頭に移動させるとくしゃくしゃっと頭を撫でた。

「ちょ、止めて下さいよ」

銀八の手を新八は払いのけぐしゃぐしゃになった髪を直した。

「お礼を言うのは当たり前の礼儀でしょ。からかうの止めて下さい」

もぉと言いながら髪を直す新八のメガネを銀八が外した。

「ちょ、なにす…」

メガネを取り返そうと伸ばしてきた手を銀八は素早く掴み新八にキスをした。

「んーー!」

銀八を振り切ろうと力を入れたがビクともしない。
それどころか隙を見て舌をねじ込んできた。

「!」

奥へ引っ込んだ新八の舌に銀八の舌が絡みつく。

「ふっ…」

時たま漏れる新八の声を聞きたくて銀八は夢中で新八の唇にくらいついた。

「んっ…はぁはぁ…いきなり何するんですかあんたは!?」

ようやく銀時から逃れた新八はすっかり息が上がっていた。

「いやぁ、かわいいからつい」

「ついじゃねぇよ!」

新八はごしごしと口を拭きながら真っ赤になって怒っている。

「いいじゃぁん俺たち付き合ってるんだから」

「ーー…そういうことさらっと言わないで下さい」

はぁとおでこを押さえながら新八はがくりと肩を落とした。



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