キリ番
□積もる幸福
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『今日はもう生徒会室に僕しかいないから遊びにおいでよ!』
今しがた黒猫から受けとったメール
多分前に僕が『生徒会室で思い切り遊んでみたいな』と横に座ってた黒猫にぼやいたのを覚えてくれてたんだとおもう
もちろん僕は圭吾に『黒猫のとこ行ってくる』と伝えて生徒会室に向かってる途中
でも生徒会室に黒猫だけってめずらしぃなぁ
会長さんは役職からか一人で残ったり、使用することが多いみたいけどね
「ふんふんへー」
適当な鼻歌をうたいながら足をとめ何気なく窓を向く
外は真っ暗闇で透明な窓が僕の姿を鏡のように映してくれる
黒猫に会うんだからみなりを整えないと
よし、ここのハネを…
(って、カツラじゃん)
冷たい窓に触れて笑ってると、突然背後から重みが襲い掛かってきた
「うわぁ、むぐっ」
ビックリして叫ぼうとしたら手が伸びてきて塞がれる
パニックに陥った僕は相手が誰かなんて特定できる余裕はなくて…
だから…
なぜか口を押さえた手で視界を隠された時は恐怖で頭がカーッとなったけど…
「だー…れだ」
と耳元で烏が呟いたのがわかって一気に緊張がとける
「かーらーすー」
「んっ、当たり!」
いや、そんな嬉しそうに言われても。