キリ番
□悪戯もほどほどに
1ページ/10ページ
放課後の化学室、今日も道行は一人暇な時間をつかって実験をしていた
別に実験が得意なわけじゃないけど、こうしていると自然と手伝いにまざる烏とまともに話ができるからだ
品行の悪い道行にとって烏は唯一の友人(むこうがどう思ってるかは不明)だから烏との会話は結構貴重なもの
だけど最近、烏がここにくる機械はめっきりとへった
というのも、暇があるなら感動の再会を果たした大好きな冬姫の方に行ってしまうから
おかげてつまらなくなってしまったけど、かわりに烏は明るくなって情緒不安定になることもなくなった
とってもいいことだけど……
疑問なのはなぜあの冬姫に、あの烏が夢中になるのかということだ
烏は性格に難があるものの相当な美人で頭もよく、真面目に学校に通いだしてからはすぐに親衛隊が結成されたらしい
アプローチもされてるけど、本人は冬姫以外眼中にない
はたから見てると一途………というか重い
一方冬姫は頭はいいらしいけど他に秀でたところは見当たらない(なんていったら烏にどつかれる)
のわりに人気者とはなぜか縁があり、彼等のファンに追いかけ回されてる冬姫を何度が見かけたことがある
何度も烏に言ってることだが、二人は釣り合わないと思う
その度に『そりゃ、オレは……姫とちがって、魅力ないし…』と勘違いされてる。