好きな人の好きな人
□第9話
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恵人は今まなかと2人きりでまなかの部屋にいた
というのも総平は朝から友人と県外に遊びに出かけたので、きっと暇な上に寂しい思いをしているだろうまなかの気持ちを察して恵人が部屋を訪れた
なんていえば聞こえはいいけどただ2人きりになりたかっただけだ
付き合いだしてから部屋に2人きりになるなんて滅多にないことで、おとなしく座っているまなかを盗み見してかわいいなぁとしみじみと思う
「…?……ん?」
その熱い視線に気づいたまなかが首をかしげる、あからさまに目をそらしても妙なので、目を合わせたまま微笑むとまなかもたどたどしいながらに微笑み返す
「え…っと、付き合いだしてから2人になることってあまりなかったからさ、なにしよっか?」
「……」
まなかは顎に手を当ててまた首をかしげる
まなかに退屈をさせていけないと恵人は必死にこの場を盛り上げる方法を考える、まなかは結構どんな遊びでも楽しむようなので無難にゲームでも誘おうか…恵人が提案しようとしたらまなかが恵人との距離を詰めてそっと恵人の手と自分の手を重ね合わせた
自分と恋人同士になりたかった恵人が何を求めているのかまなかはわかったつもりだ。