好きな人の好きな人
□第8話
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藍一がこの場所にきたのは今から2年半ほど前のことだった
レイは瞳がこの家に住み始めてすぐに呼んだ昔ながらの知り合いなので、見ず知らずの他人が加わるのは藍一が初めてだった
口下手なくせに寂しがりの瞳が同居人を増やしたがってるのはわかってたし、レイは他人と仲良くなるのは得意なので新しいメンバーがふえる今日は楽しみだった
けど瞳はともかくレイは大人としてだらしない部分がある
どんな人が来ても仲良くできる自信はあったけどその人物がレイのだらしない一面を受け入れてくれるかが不安だ
(すげぇ几帳面なやつだったらどうすっかな)
なんて部屋で酒を飲みながらテレビを見ていると家のチャイムがなった、時間的に同居人がきたのかとレイはせめてもともっていたビールをおいて手ぶらな状態でリビングに移動した
「あ、レイ」
「おー、顔出しにきた」
「!」
レイがやってきたことに気づいた藍一はそちらに体制を向ける
当然今日の藍一はこれなら長く過ごす相手と会うこともあり外行きの姿だ
目を合わしたらウザいくらいに絡みに行こうと計画していたレイだったけどそのあまりに整った容姿に目を奪われてしまう。