銀兎の幸福.アナザーストーリー
□烏との幸福
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それは烏の宝丘卒業が迫った時のことだった
「いっ、いや…いやだぁぁっ!留年する!」
「からす…」
理事長室にいる烏は隣にいる冬姫の腰に抱きついて泣きわめいていた、その二人を黒猫と和志はさめざめと眺めている
今日はこの通り、烏が冬姫と離れたくないと騒ぐので急遽話し合いの場が設けられた
外見が大人びている烏が泣きわめいて冬姫にしがみついてるさまはなんとも言い難いものがある
「ひっ、ひめと一緒にいるぅっ」
「困るよ、僕が鵺さんに怒られるって」
烏がこんな様子になってから原因である冬姫は烏の父親である鵺に、説得しろ、もし留年させたらどうなるか覚えてろよと脅されている
「ひめは…オレと、離れたい…?」
「そんなんじゃないよ…僕が烏のこと大切にしてるの、もう十分わかってるはずでしょ」
それでも烏はめそめそと冬姫の腰に顔をうずめる。