銀兎の幸福.アナザーストーリー
□和志との幸福
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「痛い…」
暗い部屋の中、ベッドの上に座り込んでいる冬姫が何度もそう呟き自分の体を抱きしめた
「痛いよ…かずし…」
頬に涙を伝わせながら愛しい恋人の名前を呼んだ
ーー………
冬姫は和志のことが好きだった
大人で、物腰が柔らかくて、何でもできて…変態という欠点があるけれど、その欠点があるからこそ和志は冬姫を特別扱いしてくれてるので冬姫にとってはありがたい欠点だ
冬姫は何度も和志に告白したけれどその度にかわされていた
子供が好きなくせに子供扱いして真剣に向き合ってくれないなんて酷いと冬姫は拗ねた回数を数えきれないくらいだ
けど和志だって…冬姫のことが好きだった
それだからこそ冬姫の告白を断ってきたけれど…その熱心さに負けて、和志は冬姫に告白を断る理由を教えることにした。