銀兎の幸福.アナザーストーリー
□郁人との幸福
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郁兄にふられてからも僕は郁兄のことが好きだった
いつかきっとこの気持ちは薄れて行くものだと思ってたんだけど、自分でも驚くほどに郁兄のことが諦められなくて、郁兄を好きなまま郁兄のそばにいて…
『好きだよ』
って、何度も言ったりして…その度に苦笑されてかわされてたんだけど、あれは何度目のことだったかな
『郁兄、大好き』
『おれも…』
おれも?
『おれも、冬姫が好きだよ』
『…………えっ…』
郁兄は目を丸くする僕に優しくほほえんで…
郁兄の言葉を理解して涙ぐむ僕を抱きしめてくれた
何度も何度も『本当に?』と聞き返す僕に『本当だよ』って…けっこう長い時間付き合ってくれたと思う
僕は、郁兄の恋人になった。