銀兎の幸福.アナザーストーリー

□道行との幸福
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高校時代とても愛した人がいた

といってもおれは片思いのままふられてしまったけど

しかもその相手はおれの後輩…がわけあって変装した姿だった


そのあと関係がぎこちなくなるということもなく、楽しくお友達として付き合っていた…おれが卒業してからはまったく会うことはなくなったけど

風の噂…というか、今でも連絡をとってる友人の夜縫君によると、おれが卒業して数ヶ月後に恋人をつくったらしく、かれが高校を卒業してからはその恋人と半同棲という形になってると嘆いていた



(まったく…嘆きたいのはこっちもだって…)


…なんて、車の窓から見える景色が雪の仕業で真っ白になっていて、ついあの子のことを思い出してしまった




「道行さん」


隣にいた付き人がおれのアンニュイ様子に気づいたらしく心配そうに声をかけてくる



「…少し昔のことを思い出してて…」


「!宝丘の時の……いやー羨ましい!私も一日体験でもいいからはいってみたかった…にしても何を…あー…もしかして恋愛関係ですか!?昔のことで物思いにふけるなんてこれしか…あれ、でもあそこ男子校でしたよね?」


ならちがうか、と笑われる。



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