好きな人の好きな人
□第8話
3ページ/32ページ
瞳は自分から積極的に会話をしないことや、藍一が人懐っこい性格だったこともありレイと藍一はすぐに仲が良くなった
「ふぁーおはよレイちゃん瞳さーん…あっ、レイちゃんまた昼からお酒飲んでるー」
いけないんだいけないんだと笑いながら藍一はちょこりとレイの膝の上に乗る、初対面の時は動揺しっぱなしのレイだったけど藍一は家にいる時はずっと地味な姿をしてすっかり綺麗なオーラを隠してるので普通に接する事ができる、藍一の事をよく知ってる今はもう素顔を見てもいつも通り接しられるだろう
「藍も一口飲んでみるか?」
ほら、とレイがビールを差し出してきたけど藍一はぶんぶんと首を横に振る
昔母親がテーブルに置いていた酎ハイを一口飲んだ事があったけど、ジュースのような甘みのあとにくるアルコールの味がまずくてたまらなかった記憶があるからだ
「へーっ、うっめーのに」
「うー…」
たしかにレイが豪快にお酒を飲んでる姿はかっこいいし美味しそうに見える、少しくらいならチャレンジしてみたいかもなんて思ってしまう
「こら、レイ…藍一くん、無理に飲まなくていいから…買い物行ってくる」
コツンとレイの頭を小突いたあと瞳は買い物に出かけて行った、レイは閉まったドアと藍一を交互に見比べて…