番外編
□クリスマス2015
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「おかえりメリークリスマスーっ、もうさっき言ったけど……」
目の前には複雑そうな顔をしている文子さん、郁兄、会長さんが立っていた
「はぁ…クリスマスイヴだからってすっかり浮かれちゃって…僕からしたらなんてことない半日なんだけどな」
「冬姫…かわいいね、あったかそうだしね、それ」
「喜ぶといいな、あいつ」
みんなからはひしひしと引いてる感が伝わってくる、かといってこの姿を隠すものなんて周りになくてただ呆然と固まるしかない
とりあえず三人は中に入り開きっぱなしの玄関をしめてくれる
「きっ、気にすることないよ?サンタの格好する人沢山いるし…テレビでもそういうニュースしてたし、別に露出もないし…」
郁兄がフォローしてくれるけど隣の文子さんがいやいやと首を横に振る
「サンタ服がダメなわけじゃないんだよ、この格好で恋人を喜ばせようっていう下心が見え見えなのがイヤらしいんだよ、ほら、固まってないで進んで」
文子さんにおされながら中に入りソファにあるクッションで体を隠そうとしたけど文子さんに取り上げられてしまった
「…で、善さっきなんていった?」
すでに帰りたい気持ちでいっぱいそうだけど文子さんに名指しで話を振られて会長さんは面倒そうに答える
「あいつが喜ぶといいな」
「黒猫喜ぶと思うよ」
けど文子さんはそうは思っていないようだ。