好きな人の好きな人
□第4話
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まなかは目が悪くなるのは困るらしく首を傾げて長い前髪を触る
勝手に前髪を切ることもできないしどうしようかと木山はまなかと同じように首をかしげる、前髪くらい自分のものだったら切れるけれど生徒の前髪をかってにきることはできない
「!あ、じゃあ、これあげる」
予備のピン留めを教師が差し出す、でもどう使えばいいかわからず戸惑うまなかに微笑むとよしよしと木山が長いまなかの前髪をわけて髪をとめてあげる
その時はじめて女の子のように可愛らしいまなかの素顔を見れた
「わぁ…えっ!まなかくん可愛い!」
「!!!?えっ…」
木山は興奮気味にまなかの顔を凝視する
まなかは男なので可愛いと言われてもどう答えていいかわからなかったけど人に褒められることなんてそうなくてとても嬉しくて照れてしまう
「こうやってずっと顔だしてなよ、もったいないよ!」
「?…うん」
まなかはこくこくと頷いた後嬉しそうにピンを撫でたあと機嫌よく家へと帰っていく。
可愛いと言われたのはびっくりしたけど、褒められたこともこうやってピンをもらえたこともまなかにとってはつい微笑んでしまうくらい嬉しいことだった。