番外編

□刻狐の幸福
2ページ/29ページ




「君、強いんですね」



そろそろ飽きてきた頃に声をかけられた


そちらに顔を向ければこんな場所には不似合いな品のいいスーツをきた男とその後ろに着物をきた男が刻狐をみている




「君、暇なら少し私についてきてくれませんか?」



その男からは言いようのない雰囲気が漂っていた、深く関わると面倒なことに巻き込まれるような只者じゃなさ

普通の人間なら圧倒されてこの場を去るだろうけど、危ないこと好きの刻狐はニコリと口角を上げた





「おもしれーことしてくるなら、いいよっ」



そして連れていかれた先はホテルだった


中学生の刻狐には縁のないお高いホテルで、刻狐は自分の前を歩く二人をみて『やっぱりただものじゃないー』と内心でにまにま笑う




(はっ、てか俺…もしかしてヤられる!?)


思い返せば車内で無意味に密着されて、手を握られていた気がする。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ