番外編
□烏の幸福
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オレは烏…名切元烏
今は中学一年生……もうすぐ二年生だけど
……ちゃんと進級できるだろうか
まわりを見渡し『はぁ』と、一つ小さなため息
窓のないコンクリートがむきだしのこの部屋
明かりは一切なく、この部屋にあるのはオレと一枚の薄いフトンだけ
上を見上げると大人一人がやっと出入できるような扉がある
つまり、ここは地下
ここから出れば父さんの部屋のクローゼットにでる
えっと…つまりのつまり
オレは……父親に監禁されていたりする
あの日から…きっともう数週間……くらいは経過してると、思う。
……ん、でも必要最低限の行動は許されてるし…
軟禁、なのかな…
(…まっ…いっか…どっちでも)
ペたりと冷たいコンクリートの床に手を置く。