過去の拍手SS
□拍手6(藍ゆう&純朱)
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此処は都内某所のスタジオ内。
皆様こんにちは、青二プロダクション所属の神田朱未です。
最近の私はある人たちの人間観察が日課となっています。
誰のかって??
それは・・・・
「利奈ちゃん・・・、今ゆうちゃんと台本合わせしてるの私なんだけど」
「うん、わかってるよ。でも、ちょっとゆうたん借りたいんだけど」
「・・・どうでもいいけど、ゆうちゃんからその腕離してくれるかな?」
「なんで?別にいいじゃん」
「あっ、あの・・・お二人とも・・・」
「はぁ〜・・・」
アフレコ前のこの時間。
以前の藍ちゃんは利奈ちゃんとゆうちゃんの間に入ろうとしなかったのだが、何かを決意したのか、この間から戦闘モードなのだ。
まぁ、主に藍ちゃんが・・・ね。
仲良くなるきっかけを増やした私の責任でもあるのか?
いや、そんなことはない。
「あ、あの、利奈さん用事って何ですか?」
「ん?ちょっとね〜。此処じゃ言えないことなんだけど」
「そうなんですか?でも、今野中さんと台本合わせをしているところなので、終わった後でもよろしければ」
「ほんと??じゃぁ、後でもいいよ♪」
「それでは終わった後に」
「うん♪」
(あっ、利奈ちゃんがひいた。でもなぁ〜、あの様子だとお隣のお姫様・・ご機嫌斜めね。
さて、ゆうちゃん・・どうするのかなぁ〜)
「・・ゆうちゃん・・」
「はい?どうしました?」
「・・利奈ちゃんのとこ行きたかった・・?」
「えっ・・いえ、そんなんじゃ・・」
「めんどくさかったら、台本合わせしなくても・・いいよ・・」
「と、とんでもないです!!の、野中さんと台本合わせしたいです!!」
「ゆうちゃん・・///」
「だから・・その・・、は、はじめましょうか!」
「う、うん///」
(うっわぁ〜、聞いてるこっちが恥ずかしい会話。どうして気づかないのかしら)
二人の間から最近流れるこの空気は、周りの出演者も感じてる。
だが、一向に先には進む様子がない。
以前よりは変化したものの、鈍感王子といじっぱりな上に自信のないお姫様ではどちらが言い出すのか先が読めない。
でも、だからおもしろいってのもあるんだよね〜なんて藍ちゃんの前では言えないけど。