過去の拍手SS

□拍手5(藍ゆう)
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「お嬢様とデュエットがしたいです」
何時かのインタビューで彼女が言った言葉。
嬉しくて、実現したときも心が踊るようだった。
レコーディングの時を思い出し、彼女に自分の歌を聞かれ恥ずかしながら歌ったのを覚えてる。

帰りに勇気を振り絞ってメールを送り、一緒に帰ったことも。

あの歌のように、聖なる空の下で貴女と出会えたことは私にとって宝物だから。
それが偶然であろうと、必然であろうと関係ない。
だって、出会えたことには変わらないから。
大事なのは、その出逢いを大切にすることだと思うから。

思わず小さく口ずさむ。
それだけで繋がっていられる気がして、自分の小指を見てみたり。

赤い糸………

もし繋がっているなら……貴女の居場所もわかるのかな。

夜空に手を伸ばし、目を細め見つめる。

「見えるわけ……ないか」
雲一つない真っ暗な世界に浸ってしまった自分に突っ込みを入れる。

そしてまた歩きだす。
でも後ろには進まないから。

前に。前に。

「前…………に?!」

自分の目を疑いたくなる。何故彼女が此処にいるのだろう。

どうして………
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