書庫‐T

□休日の過ごし方
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午後はこれといってする事もないが、しいて言うなら、
腹がいっぱいになって眠くなり始めたサスケに、昼寝をさせる事だろうか。
さっきまで、あれをしようこれをしようとせがんでいたサスケが、
頻りに瞬きを繰り返しては目をこすり、船を漕ぎはじめたとなれば選択肢は他には無いのだけれども。


「サスケ、眠いなら布団で寝よう」

「んん…」


既にサスケの意識は、微睡みの中に片足どころか両足共々つっ込みかけていた。
抱えて部屋まで連れて行くのは大層骨の折れる作業だと思いつつも、
このまま居間で寝かせるわけにもいかず、腹を決めて抱え上げる。


「…っ」


これは、しんどい。

大人ならばいざ知らず、忍をやっているとは言え自分もまだまだ子供で。
サスケも、いくら小さいとはいっても、軽く10キロはあるわけで。
かといって手を離すわけにはいかず、何とか根性だけで足を進めた。
普段、大した距離とも思わない部屋までの道程が、異様に長く遠く感じてしまう。

やっと部屋に着いた頃には、疲れ果ててしまった。

あなたが見ていれば行儀が悪いと叱られそうですが、
生憎両手が塞がっていて仕方がありませんでした。

心の中で母に言い訳し、足で襖を開ける。

朝、敷きっぱなしにしていたままの敷布の上にサスケを下ろして、一息つく。
サスケの顔にかかった髪を掃い、ふと思いたって、頬を突付いてみる。
ふにふにとした柔らかい感触が面白く、暫く続けていると、
徐々にサスケの表情が険しくなっていくのが分かって、慌てて手を引っ込めた。

掛け布を畳んで押入れへ持って行き、代わりにタオルケットを引っ張り出す。
それをサスケにかけてやって、
畳に寝そべりながら暫く寝顔を眺めていれば、やがて自分にも眠気がやってきて。
敷布の端に頭だけを乗せ、
心地よい睡魔の波に身を任せて、
そっと目を閉じた。



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