書庫‐T

□休日の過ごし方
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二人でいつもより随分と遅めの朝食を食べ始める頃。

父フガクは警務部隊の任務があり夜までかかるからと、
母ミコトは大事な用事があって夕方までは帰れないと、
それぞれ言い置いて出かけて行った。

今日は二人で留守番だな。

食べ終わった食器を片付け、サスケに歯磨きをさせて、
それからサスケの遊び相手になってやる。


そうしている内、すぐに昼時になってしまった。
今日は天気もよく気温が高い。


「お昼、何が食べたい?」

「おそうめんがいい!」

「じゃあ、そうめんにしよう」


台所へ行き、腰の辺りに纏わりついているサスケに尋ねれば、
ぴょんぴょん跳ねながら力一杯主張する。

早速湯を沸かし、沸騰したところで、戸棚から出した素麺を鍋に放り込む。
その間もサスケは腰にしがみついたまま、興味津々に鍋の様子を伺っている。
吹き零れに注意して約二分。
火を止めて、流しに用意しておいたザルへ一気にあける。

その時の『ベコンッ』とシンクの歪む音に、
シャツを掴んでいたサスケの手がビクッとするのが分かって、つい笑ってしまった。

おっと。
サスケに気付かれずに済んで良かった。
気付かれた場合、へそを曲げるのは必至だ。

ざあざあと勢いよく水を出し、
ザルの上でざぶざぶと手早く麺の熱をとって丁度良い所で水から揚げ、
大き目の器に盛り付けて、氷を乗せる。
それから小さめの器二つにつゆを作り、箸と一緒にテーブルへ持って行き並べて置く。


「サスケ、座ってて」

「はぁい」


つゆの入った器の前にちょこんと正座する姿を目の端にいれながら、
冷蔵庫で冷やされた麦茶を二つのコップに注ぎ、一つをサスケの前に、
もう一つを自分の前に置き、サスケの隣に同じく正座する。
箸を持って、手を合わせる。


「「いただきます」」


見事に重なった声。

ずずず、と小気味良い音を立てながら素麺を啜る。



‥‥‥
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