書庫‐T

□こひねがふ
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「あら…?」


笹に飾られた二枚の短冊は、糸が長かったのか、
風に揺られて、くるくると互いに絡まってしまっていた。

廊下を通りかかり、その様子に気付いたミコトは庭に降り、
切れてしまわない様に、絡まった糸を解いていった。


「…もう、あの子たちったら…」


そう呟き、くすくすと笑いを零すと、
二枚の短冊を、そっとひと撫でし、その場を後にした。



‥‥‥
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