書庫‐T

□休日の過ごし方
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小さな口を目一杯開け、
真剣な眼差しでせっせと手を動かし、
黙々と頬張るその姿に、
どうしようもなく己の口元が緩むのを感じた。




休日の過ごし方




今日は久しぶりに非番の日で、朝からサスケの世話を焼いている。

夕べ、任務が終わって家に着いたのは、日付が変わってからだった。
それから風呂に入り、報告書を書き上げ、次の任務の確認をして、
寝ようとした頃には既に深夜二時を回っていた。
布団に入り、うつらうつらとし始めた頃。

すっと襖を引く音が聞こえてそちらを見れば、
眠たげに目元をこすりながら、片手に枕を抱えて廊下に佇むサスケの姿が。
枕まで持ってきていると言うことは、自分の部屋に戻る気はなさそうだと部屋に入れ、
自分の枕を少し寄せてサスケの枕を並べると、もそもそと布団に潜りこんで。
ぼふりと枕に頭を埋めたサスケに思わず苦笑が零れてしまった。
やはり相当眠かったのか、枕に頭を沈めるなりすやすやと寝息を立て始めてしまって。

どうして帰ってきたのが分かったんだとか、
こんな真夜中にどうして起きていたんだとか、
まさか、ずっと起きていたわけじゃないよなとか、
結局聞けなくなってしまったなとか。

サスケの隣で横になりつつ、
そんな事を考えていたら自分もいつの間にか寝入ってしまった。

翌朝、いつもならとっくに朝食を食べ終えている時間になっても起きてこない、
自分とサスケを心配した母ミコトが、


「イタチ!大変っサスケが部屋にいないのよ!」


と大慌てで部屋にやってくるまで、ひたすらに眠り続けていた。



‥‥‥
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