書庫‐T

□大好きな兄さんへ
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大好きな兄さんへ





わたしは貴方が時折、
とても苦しそうな表情<かお>するのを見かける事があります。


初めて目にしたのは確か、
わたしがアカデミーへ通い始めて暫くたった頃だと記憶しています。


その表情<かお>は、
わたしと縁側に座って話している時だったり、
わたしがあなたに修業を見てもらった帰り道であったり、
天気のいい日に空を見上げている時だったりと、
何の変哲もない日常の中で目にします。


そんな時の貴方の苦しそうな表情<かお>は、
決まっていつも同じ様な表情<かお>をしているのです。




貴方は何に苦しんでいるのでしょうか。

わたしは何もしてあげられないのでしょうか。

貴方を苦しめる何かは、
わたしでは追い払うことが出来ないのでしょうか。




わたしは、貴方の笑った表情<かお>がとても好きです。
だから、貴方の苦しげなその表情<かお>を見ると、
とても悲しい気持ちになるのです。


貴方がその表情<かお>をする度、
わたしは貴方が少しでもその事を考えずにいられる様にと、
その日にあった出来事や、貴方が任務でいなかった時の出来事など、
本当にとりとめもない話をして、貴方の意識をわたしへ向けさせるのです。



そうすれば、貴方を苦しめる何かから、
ほんの少しの間だけでも貴方を解放できると、
そう思うからです。



そして近頃、
貴方がその表情<かお>をする時間が多くなっている様な気がします。


貴方にそんな表情<かお>をさせるのは、一体何なのでしょうか。


わたしは、貴方の安心していられる場所にはなれないのでしょうか。


どうしたら、貴方のその憂いを取り除いてあげられるのでしょうか。





わたしは貴方に、












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